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佐藤 馨一名誉教授が平成19年度北海道科学技術賞を受賞

本学名誉教授 佐藤 馨一先生が平成20年2月4日,「北海道における高速交通体系の実現と地域活性化への貢献」により,北海道科学技術賞を受賞されました。

佐藤先生は,交通計画学,都市計画学,地域計画学の分野で顕著な研究成果を挙げられました。 人々の意識と交通行動の関係を理論的に体系化され,実験計画法を基礎とする新しい交通機関選択モデルの構築の研究に携わりました。 先生が構築した交通機関選択モデルは予測精度が高いことで知られ,北海道内の多くの交通計画に活用され,交通体系の確立・発展に貢献されました。

北海道新幹線に関しては,1973年に整備路線として認可されましたが,その後の着工命令は需要が見込めないという理由から凍結されていました。 佐藤先生は新たに航空旅客からの転換によるモデルを構築し,北海道新幹線の需要推計を行い,実現可能性が大きいことを強く主張されました。 その成果は北海道新幹線新青森-新函館間の着工に大きく貢献しました。

高速道路に関しては,物流における所要時間短縮効果や,一般ドライバーが安全・安心に走行できることの効果を定量的に評価する方法論を構築し, 人口減少が進む北海道での高速道路の真の必要性を唱えられました。 2007年北海道横断自動車道十勝清水~トマム間が開通しましたが,佐藤先生はこの区間の整備促進を指導するなど,北海道の高速道路の整備に大きく貢献されました。

また,30年以上にわたり交通計画,都市計画,地域計画の学識経験者として北海道内における公共交通機関の維持・運営を指導してこられました。 現在も,北海道地方交通審議会会長(国土交通省北海道運輸局),道央都市圏総合都市交通体系調査協議会会長(北海道・札幌市), 北海道運輸交通審議会会長(北海道)として北海道の総合交通体系の整備や維持方策について貢献しております。

学界においては,国内では土木学会理事,日本交通学会理事,日本物流学会理事,北海道都市地域学会会長などを務め, 国際学会では東アジア交通学会(Eastern Asia Society for Transportation Studies; EASTS)国際学術委員長,寒地開発に関する国際シンポジウム(International Symposium on Cold Region Development; ISCORD)の会長を務め,国内外での発展に貢献されました。 このように,佐藤先生は「北海道科学技術賞」の受賞に相応しいご活躍をされてこられました。

(北方圏環境政策工学専攻)


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