北海道大学環境ナノ・バイオ工学研究センター

活 動


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新彊ウイグル自治区地方都市環境整備事業訪日研修

uiguru JBIC(国際協力銀行、2008年10月1日よりJICAに統合)からの受託事業とし て新彊ウイグル自治区地方都市環境整備事業訪日研修を実施しました。

新彊 ウイグル自治区地方都市環境整備事業は、新彊ウイグル自治区のハミ、トルフ ァン、ウス、クイトン、アルタイおよびアトシュの6つの地方都市において、 上下水道施設、集中型熱供給施設および天然ガス供給施設の整備を行うことにより、これら地方都市の環境改善及び住民の生活改善に寄与することを目的と した円借款事業です。

第一回目の研修には、ハミ、トルファン、ウス、クイト ンの4市の建設局、熱・電力供給公社、水道会社などに所属する技術者14名が 参加、札幌市水道局、建設局下水道部、環境局、西空知水道企業団、株式会社 北海道熱供給公社、北海道地域暖房株式会社、東京都下水道局の協力をいただきました。


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環境ナノ・バイオ工学研究センター 渡辺義公特任教授がIWA Award 2008 for Outstanding Contribution to Water Management and Scienceを受賞

prize 環境ナノ・バイオ工学研究センター 渡辺義公特任教授が,9月7日(日)から12日(金)に オーストリア・ウィーン市で開催され,世界130ヵ国から3,000人余が出席したIWA (International Water Association) World Water Congress & Exhibitionにおいて,IWA Award 2008 for Outstanding Contribution to Water Management and Science (given in honour of Dr Karl Imhoff and Dr Pierre Koch)を受賞されました。

この賞はIWAの中で最も名誉ある賞で,日本人としては初めての快挙となりました。授賞式は9月7日の開会式で行われました。

水環境分野における同氏の研究分野は多岐にわたり,その研究業績は多数の学術論文ならびに著書として発表されていますが,特に,凝集操作や生物膜,分離膜による上・下水処理の要素技術と処理システムの研究は国際的に高く評価されています。今回の受賞は,35年間にわたる研究・教育と国際的な活動が高く評価された結果と言えます。

その研究活動で特筆すべきは,同氏は,フラクタル凝集体の構造(フロック密度関数)を実験的に解明した最初の研究者であることです。フラクタルの次元は,凝集体形成反応が拡散律速と反応律速の場合にそれぞれ1.75と2.00であることを,昭和46年12月に本学に提出した博士論文で証明していますが,これは後にフラクタル物理学で検証された数値と同じです。

同氏の指導教員であった丹保憲仁教授(現:本学名誉教授)と共同で,フロック形成速度について昭和54年から発表した一連の研究論文は,現在もなお「丹保-渡辺」の論文として科学技術論文に引用されており,特に,「Norihito Tambo and Yoshimasa Watanabe, Physical Characteristics of Flocs (1),Water Research, 13, 409-419 (1979)」は,IWAの基幹論文誌Water Research発刊40周年記念として平成19年に発表された「Groundbreaking papers in Water Research 1967-2006」 の10編のうちに選ばれています。

さらに,生物膜の機能と構造解析の研究を経て,凝集沈殿法と生物膜処理に関する研究成果を統合し,先駆的なハイブリッド下水処理システムを構築しました。近年は分離膜による上・下水処理の研究を,理論とパイロットプラント実験を併用して精力的に行っています。現在は,環境ナノ・バイオ工学研究センター長として,平成15年から5年間拠点代表を務めた21世紀COEプログラム「流域圏の持続可能な水・廃棄物代謝システム」の成果を引き継ぎ,本学や社会に還元すべく学内外の共同研究体制を確立するために活動しています。


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JICA研修「南東欧都市上下水道事業管理2008」

minamitouou 2006年度から、工学研究科船水尚行教授をコースリーダーとして毎年実施され てきました。

2008年度はアルバニア、ウクライナ、ボスニア・ヘルツェゴビ ナ、モルドバ、マケドニアから9名の研修生が参加、当環境ナノ・バイオ工学 研究センターが受け入れ機関として、札幌市水道局、建設局、東京都下水道局 の協力のもとに研修を実施しました。