研究紹介

ごみの問題は、ごみの発生、分別、収集から始まって、中間処理、資源化を経て埋立処分に至る「システム」としてとらえ、適正な技術の選択を行わなければなりません。 本研究室は、ごみの分別から最終処分までをハード(実験,調査,化学分析),ソフト(アンケート,データ分析)両面の手法を用い,総合的廃棄物処理の構築を目標としてさまざまな研究を進めています。

廃棄物問題への総合的アプローチへ

進行中の研究

廃棄物発生
国・自治体における一般廃棄物量減少の要因分析

一般廃棄物の排出量は,2000年をピークに国も自治体も減少を続けている。その理由を,国レベルでは製品等の生産量などの統計値や環境政策との関連,自治体レベルでは有料化等を含む減量化施策とごみフロー変化,組成変化等の関連から,探る。

熱処理技術
焼却灰の酸性ガス除去薬剤の代替として適応性調査

ごみ焼却により発生する酸性ガス処理は,消石灰をバグフィルタ前の煙道に噴霧する乾式法が主流である。薬剤使用量を減らす目的で,CaOやCaCO3を多く含む焼却灰を消石灰代替品として検討し,酸性ガス処理に用いる際の具体的な利用方法を提案する。

有害廃棄物
飛灰中重金属のアルカリ長石を用いた捕捉・難溶性態化技術の開発

都市ごみ焼却飛灰はPb、Cd、Zn等の有害重金属を含む。アルカリ長石は陶磁器の釉薬として用いられ加熱条件下でガラス状非晶質を形成し、その中に重金属を閉じ込める。この機能を使って、飛灰中の有害重金属を捕捉・難溶性態化する技術を開発する。

地球環境
グリーンランドローカルコミュニティに存在するダンプサイトへの温暖化影響

北極域に存在する小規模集落では適正な廃棄物の処理が行われておらず、オープンダンプに全てを投棄してきた(氷の中に廃棄物を封じ込めていた)。温暖化により氷河が溶けはじめ、ダンプサイトからの影響が懸念されているため、具体的影響を現場で調査する。

除染廃棄物
除染廃棄物減容化熱処理から生ずるCs濃縮飛灰中のアルミノ珪酸塩によるCs難溶性態化効率向上

除染廃棄物は量を減らすために減容化熱処理されるが、超高濃度のCs濃縮物が発生する。Csが保管施設から放出するリスクを低下させるためにCsの難溶性態化が望まれる。アルミノ珪酸塩は加熱条件下でCsを難溶性態化する。その効率を更に向上させる。

有害廃棄物
溶融炉耐火物中六価クロム溶出に中性化が及ぼす影響の把握

溶融炉耐火物は有害な六価クロム(Cr6+)を含有する。2019年の研究で、大気との接触や湿潤条件で、pHが低下し、Cr6+の溶出が低下する可能性が見出された。何故、中性化が起こるのかを明らかにし、効果的にCr6+溶出抑制を実現する方法を見出す。