量子ビーム材料工学研究室A(大沼研究室)



Laboratory of Quantum Beam Engineering for Materials Science


研究内容

小角散乱法による材料研究

量子ビーム材料工学大沼研究室は、量子ビーム(中性子、陽子、電子、光子(X線)、ミュオン、ニュートリノ、etc…)の中で、特に「中性子ビーム・X線」を用いた研究を行っています。
X線や中性子は、あらゆる物質(水素から超ウラン元素まで)の原子核レベルでの空間情報(構造)・時間情報(ダイナミクス)・磁気情報を調べるために最適な波長・エネルギー・磁気モーメントを持つため、物質が持つ機能の発現機構を解明する上で、最も優れたプローブの1つであると言われています。 また中性子は電荷を持たないため、高い透過能を有し、原子核との直接相互作用による同位体レベルでの物性研究や非破壊検査を行うことができます。
また、産業分野で広く用いられているX線は、回折現象を利用して結晶構造解析を行うことができます。対象試料は、極薄膜試料や粉末試料など多岐に渡り、この測定結果を解析することでナノスケールの粒子や分子3次元構造を定量評価することができます。さらに、中性子と併用することにより、様々な情報を取得することが可能となります。

research

小型加速器に基づくホウ素中性子補捉療法(BNCT)の研究

BNCTとは、ホウ素化合物を投与して腫瘍組織にホウ素(10B)を集積させ、そこへ中性子ビームを照射して、10Bの中性子捕獲反応により生じるα粒子とLi原子核を用いて、腫瘍組織を選択的に破壊する治療法です。粒子輸送のモンテカルロシミュレーションの手法を用いて、小型の加速器を利用して中性子を効率的に生成させるための研究や、BNCTに適した線質の中性子ビームを生成させるためのビーム成形装置の設計研究を進めています。