センターについて

ご挨拶


新たなエネルギーの創生と
次世代の人材育成

令和7年5月吉日
センター長 柴山 環樹

センター長

エネルギー・マテリアル融合領域研究センター(以下、本センター)は、2010年4月1日に工学研究院の附属研究センターとして、材料科学ならびにエネルギー工学を基礎としたSDGsに資する新たなクリーンエネルギーの創生と高効率変換に関する材料に関わる基盤研究を目的として設立されました。  本センターの運営委員会は、センター長、センター専任教授および准教授と、工学研究院の教授により構成され、関連する部門の教育研究に係る密接な協力関係を築いています。また、マテリアルの動的プロセスを原子レベルで観察可能な世界的にもユニークなイオン加速器2基と、パルスレーザー発振器を敷設したマルチビーム超高圧電子顕微鏡を擁する複合量子ビーム超高圧顕微解析研究室に加え、様々な材料の中性子による非破壊の構造解析を可能とする最大加速エネルギー45MeVの電子線型加速器を擁する中性子材料解析研究室を2018年4月に設置しました。 これにより電子、イオンと中性子の量子ビームを利用した先端的な材料創生と構造解析システムが構築され、学内外の研究者に対して共用機器利用窓口を通じてその利便性を上げ、お互いを相補的に活用する環境を整備しています。  現在、グローバルな環境・エネルギー問題が顕在化し、従来の石炭や石油に依存したエネルギー社会から脱却し、太陽光・風力・バイオマスなどの多様な再生可能エネルギー源の利用、貯蔵、輸送に関わる研究だけでなく、CO2を有効利用したメタネーションや回収、貯蔵に関する研究を高効率で安全なカーボンニュートラルシステムの構築へ展開することが期待されています。 そこで本センターでは、①高効率なエネルギー変換を達成するシステム及びマテリアルの開発に関する研究、②エネルギーに関する学際的かつ融合的な研究教育活動、③エネルギーに関連する分野を融合する産学連携を含む研究ネットワークの形成を行うことをミッションとしています。 その実現のため、光・熱エネルギー変換材料分野、量子エネルギー変換材料分野、マルチスケール機能集積分野、エネルギー変換システム設計分野、エネルギーメディア変換材料分野の5研究室を設置し、高効率エネルギー変換やエネルギー貯蔵に不可欠な機能性材料の創製ならびに、その材料の原子レベル構造・機能解析を行っています。

令和7年度から、本学の共同プロジェクト拠点のグリーントランスフォーメーション先導研究センターや半導体フロンティア教育研究機構が設置されたことから、本学の研究教育拠点構想に主体的に取組むと共に、共用機器の利用を通じた学内外の研究者との融合研究の推進や学際研究の支援に取組み、研究教育拠点として貢献することを目指しています。 教育面では、工学院および総合化学院の協力講座として、学部生・大学院生の教育にも参画し、エネルギーに関連した次世代の人財育成にも貢献しています。 本センターのミッション遂行に向けて皆様方のご指導ご鞭撻並びに暖かいご支援をよろしくお願いいたします。