17年11月24日の活動


地圏フィールド工学研究室・奈良PDによる研究紹介

 今回は、久しぶりの研究紹介です。前回、若手会に参加してくださいました地圏フィールド工学研究室PDの奈良さんにお越し頂き、現在進められている研究についてご紹介頂きました。
今期から参加している方からは、他研究室の研究を聞きたいとの声もありましたので、丁度良い機会でした。皆さん活発に意見交換されていたと思います。

発表内容のまとめ

(1) 岩盤力学・岩石力学とは

地質学,資源・素材学,地震学など多種の分野に貢献している
岩石の分類,基本的性質について


(2) 奈良PDの研究分野とは

 破壊力学に基づいて岩石の亀裂進展性状を扱う岩石破壊力学。
 → その中でも長期的な劣化,破壊(サブクリティカル亀裂進展)を主に研究している。

岩石のサブクリティカル亀裂進展に温度,湿度がおよぼす影響についての実験的な検討。
実験装置の説明,実験試料の紹介
岩石のサブクリティカル亀裂進展:亀裂端部で起こる化学反応(応力腐食)に起因する水蒸気分圧の影響が大きい。その結果,岩石の挙動は時間依存的なものとなり,環境条件の影響を受ける
現在はセメント系材料のサブクリティカル亀裂進展について研究中である。


質疑・応答

Q.水中での岩石の性質が研究の中で紹介されていたが,実際にどういった状況のことを想定しているのか?
A.岩盤内部には地下水があり,岩石がそこに浸かっている場合が考えられる。
ここでは,そういった状況を想定している。



Q.亀裂が進展する方向が重要な着目点であるような気がするが,どのように扱っているのか?
A.脆性材料については,亀裂が進展する方向は非常に重要である。本実験ではそのことを考慮して,
亀裂の方向が一方向となるようにコントロールしている。



Q.持続的な載荷ではなく,疲労荷重のような繰返し載荷に対する研究はあるのか?
A.数は少ないものの,岩石の疲労に関する研究はある。
ただし,自分は疲労に関してはまだ扱っておらず,今後研究を広げてゆきたい。


次回の活動内容について

次回は、各研究室を実際に訪問する”研究室ツアー”を行う事になりました。第1回目の研究室訪問は廃棄物処分工学研究室へお邪魔します。

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