17年9月22日の活動


特別講演:維持管理システム工学研究室・助教授 佐藤靖彦先生


 今回の若手研究会では、現在工学研究科シビルエンジアリニングコースでご活躍されている維持管理システム工学研究室助教授 佐藤靖彦先生をお呼びして、横断的研究企画の経験談、プロセスや手法について講演していただきました。佐藤先生はコンクリートの研究において、これまで様々なプロジェクト研究に携わってこられ、その成功談、失敗談を通した学んだこと、”研究者としての姿勢・心構え”、を熱心に話してくださいました。
  • 横断的研究について
 スケール、分野(同じ学科内)、大学間、立場(民間、研究機関)、領域(学科を越えた)、国境と様々な”横断的研究”があるとご紹介してくださいました。これらの実例を一つ一つ例に挙げてくださいます。海外と日本との考え方の違い、他分野での技術の適用、新しい評価の視点、そして実際に研究プロジェクト申請までのプロセス・成功や失敗例。非常に多岐にわたるご経験をお話いただきました。

  • 表裏の両面で物事を見る。(「・・・させない」という研究目的がある時、「・・・させる」という逆の視点も持つ
  • 遠近どちらの距離からでも物を見る。(「木も見て、森も見て」と全体を捉えつつ、研究の細部まで精査する)
  • 時代の流れを常に意識すること。
  • 否定的な考えを無くす。(「こんな研究してていいのか」ではなく「解決しよう」と考えなければならない)
 このような視点を常に持ち、研究に取り組まれているとおっしゃっておりました。特に4番目の「否定的な考えを無くす」について、「研究を続けていけば、研究に意味があるのか?という否定的な考えはどんどん抱くようになってくる。それを前向きに捉えて、解決しようと考えていくことが大切」とのお言葉が印象的でした。このような研究者としての姿勢・心構えは、参加者からも「考え方が改まった」、「PDとしての必要なあり方を教えてもらった」との声が強かったです。


  • 若手研究者に対するアドバイス
 
若手会の目的もそうであるように、”プロジェクトリーダーとして活躍できる能力を養う”のが主たる目標ですが、佐藤先生は「リーダーを見つける訓練も必要」と強調されました

  • 常にリーダーである必要もないし、なってはいけない場合もある。
  • リーダーとしてついて行ける人を見つける。(「この人と仕事をしたら面白い」という人を見つけることが大事)
  • 情報交換と議論ができる相手を選ぶ。
  • 人間性に優れた人物がリーダーたり得る。そのような人物を見つける。


  • 懇親会。
 講演後、佐藤先生と参加者の皆さんを交え、近くの居酒屋で懇親会を開きました。学生、PDの私たちに対して、大変気さくに付き合ってくださいました。参加者の皆さんも普段疑問に思っていることなどを尋ねたりと楽しくお話できたようです。お忙しい中、貴重なお話と学生との懇親にお付き合いくださいまして、佐藤先生本当にありがとうございました。

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