北海道大学量子トポロジー理工学教育研究センター

トポロジー理工学

トポロジーとは「構造を連続変形したときの不変的性質を探る」学問であり、もともと数学の一分野として誕生した概念で す。この概念は、20世紀の物理学を代表する一般相対性理論と量子論の発展の上で重要な役割を担ってきました。私たちは、現代の物質科学、複雑系の科 学、生命・経済・情報ネットワークなどにおける諸現象を大局的に理解するにはトポロジーの概念が有用だと考えています。多様な科学における複雑現象 (多自由度・非平衡・非線形・階層構造)をトポロジーの観点から統一的に理解することを目指し、私たちは革新的学術分野「トポロジー理工学」を創成し ました。

量子トポロジー理工学教育研究センターについて

本拠点は21世紀COEプログラム「トポロジー理工学の創成」(2004-2008年度)を前 身としています。ここでは、トポロジーと様々な分野を橋渡しする「トポロジー理工学」を新たに開拓しました。

トポロジー理工学をさらに発展させるために21世紀COEプログラム終了後に学内共同教育研究施設としてトポロジー理工 学教育研究センターを発足し活動を継続し、2015年度に共同プロジェクト拠点に認定されました。2020年4月には、研究に量子的なアプローチを付 与し、「量子トポロ ジー理工学教育研究センター」と改称しました。本学では、21世紀COEプログラムへの採択以降、現在に至るまでトポロジー理工学の発展に寄与す る教育研究活動を行っており、複数の部局(大学院理学研究院、大学院先端生命科学研究院、大学院工学研究院、大学院経済学研究院、電子科学研究 所)にわたる拠点構成員が広範な分野を俯瞰するとともに、独自の視点からトポロジーを切り口とした様々な学問分野へのアプローチが連綿と続けられ ています。

本拠点は、新規に開拓した学問分野「量子トポロジー理工学」をさらに発展させ、以下のとおり北海道大学の特色ある教育研 究 に寄与することを目的としています。
 1) 量子トポロジー理工学に関する学理及びその応用について研究する。
 2) 量子トポロジー理工学の学内基盤を確立することを目的として、部局を横断する拠点を形成し、関連する学問領域の研究者の協力により教育プログラムの開発・運営を行う。
 3) 量子トポロジー理工学の見地から、従来の学問分野にとらわれない様々なアプローチで現象をとらえ新規課題に立ち向かうことができる人材を育成する。