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サニテーション工学研究室

研究テーマ

修士2年

仕切板挿入型MBR(B-MBR)の大型化に向けた知見の収集
飯田稔彦
仕切板挿入型MBR(B-MBR)は単一槽で窒素除去プロセスを可能とするため、省スペース・省エネルギーでの高い窒素除去が期待されます。しかし、現在の B-MBRに関する研究の多くはラボスケール、パイロットスケールによる研究が多く、より大型のフルスケールのB-MBR を建設する際のスケール間の違いを考慮した知見はほとんどありません。そこで私の研究では、B-MBR の大型化を念頭に置いた窒素除去に関する知見の収集を行なっています。
人の尿からのウレアホルム肥料製造に関する研究
小林 寛季
世界では人口増加に伴い肥料の需要が高まっています。窒素肥料の合成は一般的にアンモニアの工業的製法であるハーバーボッシュ法を用いるため、リンやカリウム肥料に比べて肥料合成時に莫大なエネルギーを必要とします。 また、発展途上国では未処理の屎尿を河川や郊外に排水してしまうことが原因で多くの病気や環境汚染を引き起こしています。 この環境汚染源である屎尿の中でも特に人の尿に着目すると窒素成分(主に尿素)が多く存在していることが一般的にわかっております。 そこで環境汚染の原因となっている人の尿を利用して緩効性窒素肥料であるウレアホルムを少ないエネルギーで製造し、製造条件がウレアホルム肥料に与える影響について研究を行っています。
FOプロセスを用いた都市下水の濃縮
齊藤 愛
乾燥地域においてROを用いた海水淡水化が行われているが、その濃縮水を放流することにより海水塩分濃度が上がり環境に悪影響を与えている。一方、都市排水は有機物を含んでおり、エネルギー源としての利用可能性はあるが、その有機物濃度が低いためにメタン発酵を効率的に行うことができない。本研究ではFOプロセスを用いてRO濃縮水を駆動液とすることで都市排水を濃縮し、そのエネルギーの自立性について検討を行う。
MF/UF膜ろ過のファウリングに関与する表流水中バイオポリマーの特性調査
鹿戸 皇希
近年、天然有機物の中でも多糖やタンパク質を主成分とするバイオポリマー(親水性高分子有機物)が浄水膜のファウリング(膜の目詰まり)に関与すると報告されてきた。しかしながら、バイオポリマーがファウリングを引き起こす原因は十分には明らかになっていない。本研究では水道水源を用いたバイオポリマーの精製実験を行うとともにLC-OCDやQCMなどの先進的水質測定を行い、ファウリングに関与するバイオポリマーの特性を調査した。
畜産排水からの固形肥料回収プロセスデザイン
藤岡 みなみ
酪農場からは毎日大量の糞尿が排出される。一般に糞はたい肥化されコンポストとして、尿汚水は液体肥料として、農地に還元される。しかし、尿汚水の直接利用には畑への散布時の臭気、ナトリウムの土中での蓄積による塩害等の問題がある。本研究では尿汚水から晶析プロセスによって固体肥料を回収するプロセスのデザインを行う。尿汚水中に豊富に含まれるカリウム窒素を固体肥料として回収することにより尿汚水のより簡易な管理法の確立・尿汚水中の栄養塩の効率的な活用に繋ると考えられる。

修士1年

拡張CSTおよびLPS測定によるMBR汚泥ファウリングポテンシャルの評価
角田 貴之
膜分離活性汚泥法(MBR )は省スペースで高品質な下水処理が可能であるが、運転・維持管理の効率化が課題となっている。汚泥ろ過性の低下・膜ファウリング発生と連動する汚泥指標を特定できれば、より効率的な運転が可能となる。既往の研究において CST(Capillary Suction Time)およびリポ多糖(LPS)とファウリングの関係性が示唆されている 。本研究では実都市下水を処理するパイロットスケールMBR汚泥を対象として、汚泥ろ過性の経時変化、CSTとファウリングの関係性を調査した。また、槽内LPS 濃度測定を継続して実施し、CSTおよびLPSのファウリング指標としての有用性を検討した。
セラミック平膜による都市下水中有機物の濃縮回収
加藤 恵
下水の直接膜ろ過はエネルギー回収を目的とした有機物の濃縮に有効である。これまでの研究では有機膜を用いて下水の50倍濃縮に成功しているが、下水の直接膜ろ過において主なファウリング機構となる可逆的ファウリングの制御を十分に行うことができなかった。本研究では物理的耐性に優れるセラミック平膜を使用し、可逆的ファウリングを効率的に制御できる粒状担体による洗浄を適用することで下水直接膜ろ過の長期運転を可能にする技術を検討する。

兼田 真周
留学中
UF膜の適用による高分子量バイオポリマーが引き起こす膜ファウリングの抑制
久米 啓太
MF膜を用いた浄水処理における不可逆的膜ファウリングの発生には、糖やタンパク質を主成分とするバイオポリマーの中でも分子量10 00kDa以上の高分子量バイオポリマーが大きく寄与していることがこれまでの研究により示唆されている。 本研究では高分子量バイオポリマーによる不可逆的膜ファウリングの抑制を目的とし、より孔径の小さいUF膜を適用してMF膜における膜ファウリング と比較・検討を行う。また本研究では膜ろ過前処理として凝集処理・イオン交換処理及びこれら二つの組み合わせを比較し、 UF膜を使用する場合に適した前処理についても併せて検討する。
正浸透(FO)プロセスを用いた尿濃縮による膜ファウリング
松田 天斗
尿は栄養成分を多く含み,肥料としての利用が見込める。しかし,肥料として利用する際には,発生地の都市部で尿を収集し消費地の畑まで輸送するという過程がある。この収集と輸送にかかるコストが高額であるため,尿を濃縮して体積を減らすことによるコスト削減が必要となる。正浸透(FO)プロセスは尿の濃縮に利用可能と考えられるが,尿のような高濃度の有機物を含む系におけるファウリングに関する研究はされていない。そのため,本研究では繰り返しの尿濃縮における膜ファウリングの透水係数に対する影響について検討を行う。

学部生

正浸透プロセスを用いた尿濃縮のための被覆磁性ナノ粒子の合成
遠藤 嵩大
都市スラムのような場所では物理的・経済的理由で下水道の導入が困難であり、屎尿が未処理のまま河川へ流されていることも少なくない。そのような場所の衛生環境向上のために家庭から尿を回収し肥料として用いるためには、尿の体積を減らし回収・輸送のコストを抑える必要がある。本研究では濃縮方法として正浸透プロセスを用い、駆動液として磁性ナノ粒子を使ったプロセスを検討する。
使い捨て紙おむつから回収したSAPの不活化機構に関する研究
小野寺 遥奈
現在日本では高齢社会に伴い大人用紙おむつの廃棄量が増加している。しかしながら紙おむつの大半は焼却処理されており、リサイクルはなされていない。そこで紙おむつからのパルプ、SAP、尿中栄養塩類などの資源の回収が検討されているが、その際パルプとSAPを分離するためにSAPの不活化が必要である。本研究ではSAPの不活化機構について実験的研究を行い、回収技術の確立を目指す。
仕切り版挿入型MBR(BMBR)の大型化に向けたモデル作成
込江 蒼
窒素除去のために好気槽と無酸素槽の両方が必要な従来のMBRではエネルギー消費が大きい等の欠点があったが、仕切り版挿入型MBR では単一槽で硝化・脱窒を行うことが可能であり、省エネルギー・省設置面積と実現できる。 現在パイロットスケールで運転しているBMBRのさらなる大型化に向けて、モデルを構築しコンピューターシミュレーションを行うことで、 効率的に適切な運転条件や装置の詳細を決定することを目指す。
セラミック平膜MBRにおける薬品洗浄の高効率化
二宮 佑輔
膜分離活性汚泥法(MBR)では、膜の目詰まり(膜ファウリング)が課題となっている。セラミック平膜では、薬液添加逆洗(CEB)により、膜ファウリングを効率的に制御できる可能性がある。CEBの効果は薬品濃度と投入頻度に伴って変化すると考えられるが、これらについて検討を行った例は乏しい。本研究では、ベンチスケールMBRにおいて、様々な条件下でCEBを実施し、膜ファウリングを効率的に制御できるCEB実施方法を検討する。
下水の直接膜ろ過による有機物回収
山川 むつみ
都市下水中に含まれている有機物はエネルギー源としてみなすことができるが、そのままでは有機物濃度が低く、エネルギー回収プロセスであるメタン発酵などに適用することができない。そこで、有機物を濃縮し、エネルギー回収を可能にするためのプロセスとして下水の直接膜ろ過が提案されているが、膜ファウリングの発生が問題となり、長期間運転が難しい。この研究では下水の直接膜ろ過における膜ファウリング抑制のための運転条件を検討する。
テーマ
米澤 有貴
説明

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