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工学研究院若手教員奨励賞受賞者を紹介します

北海道大学大学院工学研究院では、優れた研究業績を挙げた若手教員の研究活動奨励を目的として、令和2年度に若手教員奨励賞を設置しました。
令和4年度は、4名の先生方が受賞されましたのでご紹介します。


次世代型原子炉における
安全性評価手法の開発

応用量子科学部門 量子エネルギー工学分野
准教授 河口 宗道

令和4年度若手教員奨励賞に選出いただきありがとうございます。私は、次世代型原子炉(ナトリウムで原子炉を冷却する炉型)の安全性を向上する研究を行っています。最近の興味は、次世代炉の特徴であるナトリウムが原因で発生する軽水炉と異なる事故現象ならびに放射性物質のリスクです。将来、安心して継続的に利用できる原子炉システムを確立するために、安全性を評価する手法の開発を目標としています。

ナトリウムとコンクリートの反応実験:中央の容器内で600℃以上に加熱されたナトリウムとコンクリートが反応しています。排煙ガスには、反応で発生した水素とナトリウムエアロゾルが含まれています。

社会インフラ構造物の
安心・安全を支える
先進技術の創成に向けて

土木工学部門 先端社会システム分野
准教授 橋本 勝文

このたびは若手教員奨励賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。現在、橋梁やトンネル等を構成するコンクリートの劣化や破壊に伴うひび割れ発生機構と、その検知技術に関する研究に従事しています。X線、赤外線、超音波やレーザーによる非破壊あるいは非接触技術に加え、AIやMEMS技術等の異分野技術を融合した次世代の土木工学における学術研究から、社会実装に資する研究開発を意欲的に進めていきたいと考えています。

Sonic-IRによるコンクリート中のひび割れ可視化

接着界面の
その場観察に基づく
界面強度発現機構の解明

機械・宇宙航空工学部門 機械材料システム分野
准教授 髙橋 航圭

私の研究室では、「接着界面強度」を対象に試験機を自作し、独自の実験方法を考案しながら、他では真似できないアプローチを意識して研究に励んでいます。そのため、成果が出始めるまでに相当の時間と労力を要しましたが、粘り強く取り組み続けてくれた学生さんの協力で、大変栄誉ある賞をいただくことができ、とても感謝しています。これからも難題に正面から向き合い、大きな成果に向かって着実に進んでいきたいです。

接着界面の可視化に基づく強度評価

生体・農産物・食品における
光散乱と光伝播

機械・宇宙航空工学部門 熱流体システム分野
准教授 藤井 宏之

このたびは若手教員奨励賞を賜り、誠にありがとうございます。生体・農産物・食品の内部物性を非破壊的に評価する技術は、さまざまな分野における基盤技術です。近赤外光は媒体内部に伝播することができますが、強く散乱されます。私は、散乱光を用いた近赤外分光法の開発に向け、物性と光散乱・光伝播との相関関係を明らかにすることを目指しています。先生方、学生、家族の継続的な支援に深く感謝し、研究を進めていきます。

豆乳内の電磁波散乱と光伝播