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グローバルで活躍する人材育成のために ─ リオティント ─

北海道大学、九州大学共同の資源系教育コンソーシアムに参画している、資源メジャーのリオティントによる特別講義が2022年7月28日と29日の2日間に亘り行われました。

このコンソーシアムは、北海道大学大学院工学院と九州大学大学院工学府が2015年に共同で始めた「持続的資源系人材育成プログラム」を基礎とし、高い専門性と国際性を備えた資源系人材の育成のため、民間企業や公的機関が大学と協働するプログラムです。参画企業の1社であるリオティントジャパンからは、同社が生産・提供する低炭素社会への移行に不可欠な鉄鉱石、アルミニウム、銅などの事業の重要性や今後の展望について説明がなされ、同社社長の堀江渉氏は、“グローバル資源メジャーで働くということ”と題したセッションで、資源業界の抱える課題や、グローバル企業で働くことの醍醐味やチャレンジについて、自らの経験にも触れながら講義を行いました。現地で授業に出席した北海道大学の学生やオンラインで参加した九州大学の学生達からは、これからの資源業界で求められる人物像やAIの普及による採用への影響など自身の将来の展望を見据えた数多くの質問がなされ、キャリアプランを立てるための参考になったようです。

その後、瀬戸口工学研究院長は同社による表敬訪問を受け、両者の課題と、今後のコンソーシアムへの期待、産学連携についてなどさまざまな意見交換がなされました。瀬戸口工学研究院長は、「このコンソーシアムを通じて、企業や社会のニーズを知り、広く情報を共有することで総合大学としての特長を生かしていきたい」と述べました。また堀江氏も、「我々の業界が抱えているチャレンジは決してやさしいものではないが、コンソーシアムを通じた連携を強固にし、世界で活躍する人材の育成に協力をしていきたい」と述べました。

同日には、フィールド科学体験のための360°VRシアターで、リオティントが提供したコンテンツ、‘Pit to Port’を使った模擬授業がメディアにも披露されました。参加した学生は、「コロナ禍で海外に行くことができない状況の中で、あたかも現地で現場を見ているかのような、とても貴重な体験ができました」などと好評でした。また、その様子は日本経済新聞や日刊産業新聞に掲載されました。

(工学研究院 環境循環システム部門 川村 洋平)

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女性のさらなる活躍を応援したい

北海道大学が昨年12月に「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」を公表してから1年になります。宣言では、「(北海道大学は)すべての構成員がその能力を最大限に発揮して自らの可能性に挑戦できることを目指して、さらなる意識改革および環境整備を進めます」と謳われています。

工学研究院では、女性教員がより快適に、そして教育研究に能力を発揮できるよう、また女子学生が将来のライフプランに向けて自らの可能性に挑戦できるよう、今年から工学研究院・情報科学研究院の現職の女性教員が中心となった活動を開始しました。

まず、女性教員が気軽に参加し、教育研究、ライフイベント、ワークライフバランスなどについての悩みを相談したり、経験を共有したりできる機会を不定期で開催しています。またこの場を使って、工学系を志している女性が夢に向かって大学や大学院で学び、それぞれを卒業・修了後に社会に出て活躍してもらえるよう、どのような支援ができるかなども相談しています。

10月26日には、北海道大学ダイバーシティ・インクルージョン推進本部と共催で、学生向けのランチタイム懇談会「理系×ライフプラン活躍している女性の先輩たちと話してみよう」を開催しました。当日は学部学生を中心に13名の学生が参加し、サンドウィッチを片手に和やかな雰囲気の中での開催となりました。

今回のイベントには、キャリアと子育てのどちらも楽しんでいる博士号を有する女性2名(関西学院大学教授 清水陽子さんと、繋がり学び合うコミュニティ「ヒンメルカレッジ」主宰 斉田英子さん)を「先輩」としてお招きし、女子学生を中心とした学生に向けて、おふたりのご経験に基づき、進路選択やワークライフバランスなどについてのお話をしていただきました。最初は緊張気味だった学生たちも、徐々にリラックスした雰囲気になり、最後は「先輩」たちと学生が車座になっての懇談会となりました。参加した学生からは「良い話が聞けた、将来の不安が少し解消された」など、ポジティブな感想が寄せられました。このイベントの様子については次号で詳しくご紹介します。

(工学研究院 工学系教育研究センター 藤原 志保)

文部科学省の出張者を囲んでランチを取りながら意見交換(9月)
学生向けイベントの様子(10月)
懇談会のフライヤー