ニュース&レポート

工学研究院・工学院の
ニュースをお伝えします。

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北海道大学ホームカミングデー2021が開催されました

2021年9月24日(金)から26日(日)の3日間、「Be ambitious again!」をモットーに「北海道大学ホームカミングデー2021」がオンラインで開催されました。

工学研究院・工学院・工学部主催の行事として25日(土)に同窓生向け講演会、24日(金)〜25日(土)に北工会サークル展示をオンラインで行いました。

同窓生向け講演会は、ホームカミングデー用サイトから入室できるZoomミーティングルームによるオンライン配信にて同窓生向けに実施しました。

はじめに、瀬戸口剛工学研究院長・工学院長・工学部長が歓迎の挨拶を述べた後、工学研究院及び工学部の現況報告及び講演者の紹介を行い、引き続き、同窓生であるインターステラテクノロジズ株式会社金井竜一朗氏から「観測ロケット「MOMO」の信頼性向上のための改良開発」をテーマに講演が行われました。

オンライン配信であったことから、遠方の同窓生等の参加もあり、質疑応答も積極的に行われ、大変好評でした。

北工会サークル展示は、工学部ホームカミングデー特設サイトにおいて、北工会の公認サークルによる作品(書道、写真)を展示しました。

(総務課)

同窓生向け講演会の様子
北工会サークル展示の様子

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2021年度
工学部オープンキャンパスが
開催されました

2021年度の北海道大学オープンキャンパスが9月19日(日)〜22日(水)までの期間で開催されました。今年度は対面でのオープンキャンパス実施に向けて検討を進めておりましたが、新型コロナウィルス感染症の第5波と重なってしまい、残念ながら今年度もオンラインでの開催となりました。

今年度の工学部オープンキャンパスは、9月19日(日)に実施され、昨年と同様に、動画を配信するオンデマンド方式を主体としたプログラムで開催しました。プログラムは昨年と同様の、「学部紹介」(工学部長挨拶)1件、「模擬講義」4件、「研究室体験」24件、「研究施設探訪」6件の合計35件に加えて、今年度は、ライブ配信にて学科紹介を行いました。ライブ配信では、各学科長から学科紹介を行った後、Zoomのブレークアウトルームを用いて各コースの紹介を行いました。オンデマンド配信動画への工学部全体の申し込みは4,416件(北大全体では10,377件)であり、多数の“ご来場”がありました。また、ライブ配信では、各学科定員200名を設定し募集を行ったところ、開催前に全学科で満員の800名の申し込みとなり多くの方にご参加をいただくことができました。また、ライブ配信当日は、参加者から多数の質問をいただき大変盛況となりました。来年度こそは、北海道大学キャンパスで皆様とお会いすることが出来ることを楽しみにしております。

(工学研究院・工学院・工学部広報室長 林 重成)

工学部HPからアーカイブ動画をご覧いただけます。

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2021年度
戦略的創造研究推進事業(さきがけ)に
採択された研究を紹介します

工学研究院 田坂裕司准教授と小林一道准教授が、国立研究開発法人科学技術振興機構の2021年度戦略的創造研究推進事業(さきがけ)に採択されました。「複雑な流動・輸送現象」をキーワードに、流体力学が関わる種々の分野の若手研究者による先端的な研究として評価され、新たな流体科学の創成が期待されています。ここでは、今後取り組まれる研究概要についてご紹介します。

混相/複雑流体のレオロジー物性計測を基軸とした流体科学の創成

教科書レベルから現実の問題まで、様々な問題を解析的あるいは数値的に解く場合には、扱う物質の物性値が正しく与えられていることが前提ですが、多くの流動体において、粘度などそれらの流動物性は不明です。トルク式レオメータと呼ばれる機器で測定を行いますが、正しく測れない場合が多くあります。また、「評価」が目的の「物差し」であり、得られた数値を使うことは前提とされていません。採択課題では、実際の流れから情報を取り出すことをコンセプトに、気液や固液の混相体を含む様々な複雑流体の物性評価を行う方法論(USR)を確立し、それらの流れの予測に繋げます。円筒に入れた試験流体に振動回転を与え、その流れの様子を速度分布計測により捉え、流れを記述する運動方程式から逆算して物性を求めます。これまでに、高分子溶液や粘土懸濁液、お粥などの食品に適用してきましたが、これらの結果を様々な形の構成方程式に落とし込み、材料化学、地球科学、医療を始めとする様々な分野に流動の予測と制御の観点から貢献します。

(工学研究院機械・宇宙航空工学部門准教授 田坂 裕司)

間(あわい)の分子流体力学

本年10月より、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業「さきがけ」の新規課題として「間(あわい)の分子流体力学」が採択されました。同じ部門の田坂先生と一緒に採択されたことを大変嬉しく思っています。

気体や液体などの「流体」の流れを考える際に、流体力学と呼ばれる学問があります。この流体力学は非常に有用な学問で、今日でも様々な分野で利用されています。ここで、この流体力学のみでは、液体から突然気体が現れる流れ(例えば、キャビテーション気泡の発生)や、液体が徐々に気体へ変化する流れ(例えば、液滴の蒸発)といった、相変化を伴う複雑な流れを取り扱うことが難しく、別のアプローチが必要となります。

ここで本提案研究では、気体と液体の間の領域、つまり、液体表面近傍のごくわずかな領域(数nm程度)における、気体や液体を構成している分子の運動に注目しています。液体表面近傍における大規模分子群の動きをコンピュータシミュレーションによって再現し、その分子群の振る舞いを解析することで、相変化を伴う複雑な流れを取り扱うことができる新しい流体力学の基礎を創ります。

(工学研究院機械・宇宙航空工学部門准教授 小林 一道)