ニュース&レポート

工学研究院・工学院の
ニュースをお伝えします。

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北欧地層処分関連施設の
視察報告

原子力発電所の運転に伴い生じる高レベル放射性廃棄物は、世界各国とも地下深くの安定な岩盤中に人工的なバリアを設けて、その後の管理が不要な状態にして最終的に処分することとなっています。我が国では原子力発電環境整備機構(NUMO:https://www.numo.or.jp)がこの処分(地層処分)を実施することになっています。

昨年私は本学の地層処分に関する勉強会(代表:エネルギー環境システム部門・渡辺直子准教授)で幌延町にある地層処分に関する地下研究施設を見学しました。そのことが縁で、このたびNUMO主催の先進地視察プロジェクトのメンバー(全国で計6名)に選出され、2019年9月に地層処分事業が先行しているフィンランド、スウェーデンの関連施設見学および地元関係者との交流の機会を得ることができましたのでその概要を報告させていただきます。

まず、フィンランドでは数年のうちに実際に高レベル放射性廃棄物を処分することが決定しているオンカロの施設を見学しました。斜坑を自動車で降りていくと(写真1)、廃棄物を埋設する立坑(写真2)を見ることができ、その深さや周囲の様子から廃棄物を隔離するための重厚な構造を感じました。

一方スウェーデンでは幌延の施設と同様に地下深部の環境等を研究しているエスポ岩盤研究所、最終処分の際に使用済み燃料を収納する容器の研究所を見学したほか、地層処分施設の受け入れ自治体であるエストハンマルの市長さん(写真3)と面談して最終処分施設の受け入れに対する地元の考え方などを直接うかがうことができました。

私は今回の視察を通して地層処分への理解をさらに深めることができました。我が国は現時点ではまだ地層処分場の受け入れ地域は決まっていませんが、今回の貴重な経験を活かして、近い将来エンジニアの立場から地層処分実現に貢献したいと考えています。

(機械システムコース 学士課程3年 渡邊 恭也)

写真1:オンカロの坑道の様子
結晶質岩中に掘られたトンネルが長く続いています。
ここに近い将来高レベル放射性廃棄物が埋設されます。
写真2:オンカロの実験立坑
実際に廃棄物を埋設するのと同じサイズで、垂直に穴が掘られ、
各種の試験が行われていました。
写真3:エストハンマル市長との面談

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工学部北工会文化祭が
開催されました

2019年10月28日(月)及び29日(火)、工学部で北工会文化祭が開催されました。本行事では、主に工学部北工会に存在する様々なサークルによる展示や企画が行われています。

書道、生け花、写真といった歴史を感じる美しい作品の展示から、レーシングカー、ロボット、プラモデル、テレビでおなじみ鳥人間コンテストの機体など工学部ならではの展示が行われ、在学生や外部からの来訪者の方々も足を止め作品を鑑賞していました。

その他、映画や邦楽演奏の鑑賞会、将棋交流会、囲碁交流会、計量感覚コンテスト(物の長さや重さを目測と感覚だけで推測する競技)などの体験型企画には多くの参加があり、大いに盛り上がりを見せました。

本行事は、例年紅葉シーズンである10月下旬に開催しております。多くの方のご来場をお待ちしております。

(総務課総務担当)

北工会:工学部の教職員・学生等の親睦団体

いけばな同好会及び写真同好会の展示
オーディオビジュアル同好会
ヘッドホンアンプ組み立て教室の様子
フォーミュラサークルの展示
計量感覚コンテストの様子

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北海道大学
ホームカミングデー2019が
開催されました

2019年9月27日(金)及び28日(土)、“Be Ambitious Again!”をキャッチフレーズに、「北海道大学ホームカミングデー2019」が開催されました。本行事は、北海道大学を巣立った卒業・修了生が、母校に集い世代を超えた親睦を深めるとともに、地域の皆様とも交流を図り、同窓生相互の発展と連帯強化につなげること、北海道大学の発展につなげることを目的としているもので、今回で8回目の開催となりました。

工学研究院・工学院・工学部主催の行事として、27日(金)に北海道大学工学系イノベーションフォーラム2019を、28日(土)にサークル展示、同窓生向け講演会、同窓生との懇親会を行いました。

北海道大学工学系イノベーションフォーラム2019では、ポスター発表の部として、最近の代表的研究成果等の23課題を、講演会の部としてイノベーションに関連した講演2題を実施しました。

工学部正面玄関には、北工会の公認サークルによる作品(書道、写真)を展示し、ホームカミングデー来場者のほか、在学生や外部からの来訪者の方々も、足を止めて作品に見入っていました。

同窓生向け講演会では、宇宙環境応用工学、エネルギー工学に関連した講演を実施しました。引き続き開催された同窓生との懇親会には約30名が参加し、同窓生同士はもちろん、現役教員とも交流を深めました。

次回、第9回のホームカミングデーは、令和2年9月26日(土)の開催を予定しています。

(総務課)

同窓生向け講演会の様子
ポスター発表の様子

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第2回東アジアイノベーション
促進フォーラム
(East Asia Innovation Accelerator Forum)を開催

2019年11月20日(水)、北京科技大学(中国)において、「第2回東アジアイノベーション促進フォーラム(East Asia Innovation Accelerator Forum)」が開催されました。本フォーラムは、これまでの二者間の交流・連携を発展させ、東アジアの大学が主導する「東アジアによる、東アジアのための東アジア大学ネットワーク」を構築するとともに、世界をリードする研究開発及び社会還元を推進し、材料から付加価値の高い最終製品まで一気通貫で行う体制を作り上げる新たなイノベーションを東アジアから発信することを目的としています。第2回目の今回は、日本及び中国の4大学から30名以上の教職員及び学生が参加して行われ、本学からも泉副工学研究院長をはじめとする教職員及び学生8名が参加しました。フォーラムでは、Qingguo XUE北京科技大学副学長の開会挨拶に続いて、河合秀樹室蘭工業大学副学長、泉典洋副工学研究院長及び沈振江金沢大学理工研究域地球社会基盤学系教授が挨拶を行いました。引き続き、学生のポスターセッション及び教員による分科会が行われました。分科会では、コンピューター工学と物質科学工学の2分野に分かれて11の発表が行われ、イノベーション促進のための活発な議論が交わされました。次回のフォーラムは本学において開催される予定です。

(工学研究院)

開会の挨拶をする泉副工学研究院長
各大学代表者の集合写真
分科会の様子