ニュース&レポート

工学研究院・工学院の
ニュースをお伝えします。

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積雪寒冷地域における
自動運転に関する
研究開発についての
記者発表を実施しました

自動運転技術は、交通問題を解決し、革新的な輸送・移動サービスを実現する手段として研究開発競争が激化しています。しかし、北海道などの寒冷地域では、積雪により車両周囲の状況認識が困難になるという技術的な課題があり、実用化が遅れています。そこで、北海道内外の企業、そして我々北海道大学からなるプロジェクトチームにおいて、積雪寒冷地域における自動運転に関する研究開発を実施しています。本プロジェクトは、北海道経済産業局の補助事業を活用し、「積雪寒冷地域の交通弱者移動支援のための雪道走行を可能とする自動運転技術の開発」という研究題目で、平成29年7月に平成29年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポーティング・インダストリー事業)に採択されており、同年9月より研究開発活動を開始しています。

現在の自動運転技術は、ダイナミックマップ(高精度空間情報)の活用により自分がどこにいるか推定するものが主流です(自己位置推定)。しかし、積雪環境では、降雪により標識・道路境界線等が雪で覆われる、または道路の幅が大きく変化するといった要因で、周囲の環境が空間情報と異なってしまい、ダイナミックマップを用いた自己位置推定が機能しません。そこで、本プロジェクトでは、新しい画像処理技術やAI技術を用いた積雪路における自己位置推定技術を開発することにより、積雪寒冷地域における自動運転を実現することを目指します。

この活動の一環として、1月18日(木)に北海道大学工学部において記者発表を実施し、本プロジェクトに関する事業内容の説明と実験車両の展示を行いました。前半40分ほどは、工学部内の会議室で事業内容に関する説明及び質疑応答を行い、後半50分ほどで屋外にて実験車両の説明を行いました。本記者発表には、新聞関係8社、TV局5社などが取材に訪れ、当日の様子は新聞、テレビニュース、ネットニュースで取り上げられるなど、多くのメディアに関心を持っていただきました。

質疑応答でもこの技術に対する期待の高さが伺え、本プロジェクトに関わるメンバー一同、成果をできるだけ早く社会に還元できるよう、心構えを新たにしました。

(工学研究院人間機械システムデザイン部門准教授 江丸 貴紀

工学部会議室で行われた事業内容説明会
雪の中訪れた多くの取材陣
  • 工学部共用実験棟で行われた実験車輌の展示
  • 実験車輌(ベース車輌:ヤマハ発動機 Viking VI)

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日露4大学主催の
「日露学生フォーラム」に参加しました

平成29年9月にウラジオストク(ロシア)にある極東連邦大学で開催された「第3回東方経済フォーラム」に並行して、北海道大学・東北大学・モスクワ国立大学・極東連邦大学の日露4大学主催の「日露学生フォーラム」が行われました。

日露両国の未来に向けた提案を行うことを目的として開催されたこのフォーラムは、北大からの2名を含めて、日本の12大学から16名、ロシアの2大学から8名の学生が参加し、「ディスカッション」と「文化プログラム」の二部構成で実施されました。

前半の「ディスカッション」では、「社会・文化」と「科学技術」という2つの分野に分かれて、それぞれの専門分野を軸に議論を交わし、日露交流の未来に向けての提案を「日露学生フォーラム提言」にまとめ、発表しました。さらに、参加学生が安倍晋三内閣総理大臣を表敬し、同提言を手交しました。

後半の「文化プログラム」では、ウラジオストクの市街観光、日露の歴史を展示する博物館、子供の教育兼宿泊施設である「OKEAN」、水族館などを訪問しました。日露の学生が共に貴重な体験をし、相互理解と親睦を深めました。

今回の日露学生フォーラムを共に経験した日露学生の交流は、フォーラム終了後も続いており、フォーラム提言で提案した日露の学生交流を手助けする「日露学生協会」も平成30年度より本格的に動き出す予定です。

(工学院建築都市空間デザイン専攻博士後期課程3年 渡部 典大

東方経済フォーラム会場での「日露学生フォーラム提言」発表
文化プログラムでの日露学生の交流

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えんじにあRingウェブサイトが
モバイル対応になりました

読者のみなさんは、えんじにあRingにウェブ版があることをご存知でしょうか?前号(No.413/ 平成30年1月)のえんじにあRingからウェブサイトをリニューアルし、スマートフォンやタブレットからでも記事が読みやすくなりました。

えんじにあRingでは、生活に身近な技術、昨今話題になっているキーワード等々、毎号多彩なテーマを設定し、これらを工学研究院の研究者が深く掘り下げ、様々な角度から紐解いていきます。また、学生コラムや卒業生コラムからは、充実した学生生活の一端や、社会で活躍する卒業生の姿をご覧いただけます。

これからも様々な切り口で工学部・工学研究院・工学院の魅力をお伝えしていきますので、手軽にアクセスできるウェブ版をご利用いただき、毎号チェックしていただければ幸いです。

◎お問い合わせ先: webmaster@www.eng.hokudai.ac.jp

(総務課総務担当)

マルチデバイス対応になったえんじにあRingウェブサイト

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平成30年度
オープンキャンパスのお知らせ

今年も恒例の工学部オープンキャンパスを8月5日(日)・6日(月)の2日間にわたり開催します。工学部の「いま」を知ることのできる絶好のチャンスです。工学部の紹介はもとより、工学の面白さを知ることのできるプログラムを準備しており、どなたでも事前の予約なしで参加いただけます。また、6日(月)午後は、研究室を実際に訪問して研究活動の一部を体験できる高校生限定プログラムを企画しています。高校生限定プログラムの参加には事前の予約が必要となりますので、希望される場合には早めの予約をお願いします。 詳細については、随時本学ホームページに掲載予定ですので、ご確認ください。多くの方のご参加をお待ちしております。

(工学研究院・工学院・工学部広報室長 横田 弘)

平成29年度オープンキャンパスでの体験講義の様子