研究紹介

ものとものが接するところには、界面あり!

機能材料化学講座
界面電子化学研究室

無機物/有機物、生体/非生体を問わずすべてのものには表面があり、ものとものが接するところに界面があります。表面や界面を介して物質が流れ、反応が起こり、情報が伝達されるのです。表面物理化学とは、こうした表面・界面の性質や、そこでの分子や電子のふるまいをさぐる科学です。

本研究室では、この表面物理化学を念頭におきながら、さまざまな現実の系の解析をすすめています。具体的には、金属材料の腐食挙動や耐食性に関するもの、水溶液中における金属電極や半導体電極の電気化学的な挙動に関するもの、薄膜材料の物性評価や機能化に関するもの、などです。最近の研究テーマは、次のようなものです。

・水晶振動微量天秤法(EQCM)の適用
・炭素鋼、ステンレス鋼、チタンの腐食挙動の電気化学的解析:交流インピーダンス法,抵抗測定法,液中イオン銃(LPIG)法などの適用
・金属アノード酸化皮膜にかかる応力の解析:レーザーベンディングビーム法の適用
・材料表面微小部のメカノエレクトロケミストリ:ナノインデンテーション/ナノスクラッチング機能付原子間力顕微鏡(AFM)の適用、電気化学マイクロインデンテーションの開発
・電極材料用酸化物皮膜の膜電位測定
・アルミニウムの亜鉛置換めっき前処理後無電解ニッケルめっき及びその代替法としての薄膜上への直接めっきにおける形態観察と密着性
・空気亜鉛電池の二次電池化
・電極反応分布の視覚化と反応機構解析:走査電気化学顕微鏡(SECM)の適用
・微小電極を用いた電極反応生成物のその場定量
・新しい微小電極の作製方法の考案とその応用
・超音波振動した微小電極に発現する特異現象の工学的応用
・形状記憶合金(NiTi)の活性溶解挙動、不働態挙動、および微小電極を用いた微細加工法開発の検討

図1 多結晶チタン表面を覆う酸化物皮膜の分布を示すSECM像

図2 ハードディスク基盤へ直接めっきした亜鉛被膜の断面