研究紹介

機能性高分子材料の創製

分子機能化学講座
高分子機能化学研究室

1.精密重合による機能性高分子の開発

近年、合成技術の発展にともない様々な高分子の精密合成が可能になっております。本研究室では精密重合の技術を応用したエナンチオマー選択重合法の開発や、高度に立体構造の制御された高分子の合成、らせん構造を有する高分子の合成などを通して、新規な機能性高分子の開発を行っております。

2.生体適合性高分子材料の開発

現在、外科手術に必要不可欠な生体適合性材料にはゼラチンやコラーゲン、フィブリノゲンといった動物由来の材料を数多く使用しております。しかし近年、ウイルス性肝炎やBSEの蔓延に伴って、厚生労働省はこれら動物由来材料の使用を制限するよう指導と規制を行っており、動物由来材料を原料としない生体適合性材料のニーズが高まってきております。本研究室では自然界に数多く存在する「セルロース」、および砂糖から誘導した新規合成多糖「ハイパーブランチ多糖」を基盤物質と致しまして、ウイルス感染の可能性が無く生体適合性の高い高分子材料の開発を行っております。