膜分離型活性汚泥法(MBR法)は従来の方法と比べて様々な利点を持つ水処理技術であるが,膜ファウリング(目詰まり)による処理性能の低下が普及の障壁となっている.この膜ファウリングを解消するために現在まで数々の膜洗浄方法が検討されてきたが,いまだに膜ファウリングの課題は解決されていない.膜ファウリングは様々なものによって引き起こされ,その中の一つとして膜ファウリング進行細菌(FCB)と呼ばれる特定の細菌が挙げられる.本研究では,このFCBとそれに感染するバクテリオファージに着目した.これまでの研究で,FCBによって引き起こされた膜ファウリングにバクテリオファージを添加することで,膜ファウリングの進行が抑制された.今後は,この細菌とバクテリオファージの特性解析を通じて,新たな膜洗浄技術としての可能性を探っていく.
2021年3月 |
第55回日本水環境学会年会・学生ポスター発表賞(クリタ賞)優秀賞 |