第19回西日本岩盤工学シンポジウムのご案内

 岩盤工学をベ−スに多方面にわたる特別講演,研究発表から構成され,研究
者間の情報交換と親睦を目的として,九州地区, 熊本地区, 山口地区で順送
りに開催してまいりました西日本岩盤工学シンポジウムも第19回となりました.
一昨年はソウルで韓国の学会との合同シンポジウム,昨年は熊本で国際シンポ
ジウムと続きましたので,本来の形のシンポジウムは3年ぶりでございます.
皆さまのご投稿あるいはご参加をお願い申し上げます.なおこの案内状は3年
前のシンポジウム開催時に作成致しました名簿に基づき発送しております.こ
の3年間に異動等がございましたら,関係各位にご連絡頂ければ幸いでござい
ます.

主  催: 西日本岩盤工学研究会
共  催:  資源素材学会岩盤工学部門委員会
後  援: 岩の力学連合会,日本材料学会岩石力学部門委員会
期  日: 1998年7月30日(木), 7月31日(金)
会場・宿泊所: 山口厚生年金休暇センター 
       (〒755 山口県宇部市上宇部黒岩75番地  Tel: 0836-33-6116)
特別講演: 岩盤精密計測の最前線      (総合タイトル)
      東京大学教授    石井 紘
      京都大学教授    安藤 雅孝
      東京大学助教授   歌田 久司
      名古屋大学名誉教授 熊澤 峰夫
一 般 講 演: 岩盤工学に関する諸問題
論文申込み締切: 6月5日
論文原稿締切:  6月末日
申 込 要 領: [第19回西日本岩盤工学シンポジウム講演申し込み]と明記し,
        題目,氏名(連名の場合には講演者に*印),所属(勤務先)を
            明記の上,下記の申し込み先までお送り下さい.e-mailをご
        利用の方は下記のアドレスまで半角カタカナを含まないテキ
         ストファイルでお送り下さい.
執 筆 要 領:  後日送付致します.
参加申込締切: 6月末日
申 込 要 領: [第19回西日本岩盤工学シンポジウム参加申し込み]と明記し,
        参加者全員の氏名,所属(勤務先),役職,申し込み代表者の
               連絡先(e-mailもありましたらお願い致します)を明記の上,
               下記の申し込み先までお送り下さい.e-mailをご利用の方は
               下記のアドレスまで半角カタカナを含まないテキストファイ
               ルでお送り下さい.
参  加  費:   20000円(論文集代,懇親会,宿泊費を含む)
申し込み先:  〒755-8611 宇部市常盤台 山口大学工学部社会建設工学科内
              西日本岩盤工学研究会事務局    佐野 修
               Tel: 0836-35-9447, Fax: 0836-35-9429(事務室)
        e-mail address: esano@po.cc.yamaguchi-u.ac.jp
              注:岩盤工学研究会構成員全員に自動配送されます.
        注2:e-mailの配信トラブル等をチェックするため必ず返信
        いたします.返信がない場合には再送お願い致します.


特別講演のご紹介
 チェルノブイリ,スリ−マイル島,インドでおきた化学工場事故,航空機事
故など,まれにしか起こらない大きな事故の前に,事故にならない夥しいイン
シデントの存在が指摘されています.最近の山陽新幹線トンネル内ライニング
破損は事故に直結しなかったインシデントの一つです.昨年のNew York Times
10月11日の記事にアメリカの放射性廃棄物地下保管所から放射性廃棄物が洩れ
出しているという報告が見られます.その規模や影響の程度がよくわからない
現状でもこれは重要なインシデントです.豊浜トンネル事故のように既にアク
シデントとなったものも含めた過去のインシデントから,岩盤斜面,土木構造
物あるいは地下岩盤構造物の長期精密評価診断技術を確立する必要性が問われ
ていると考えられます.数10年ないし100年以上にわたる安定性や遮蔽性の評
価診断技術の検討および確立.今回の特別講演はそのような観点から,総合タ
イトル[岩盤精密計測の最前線]を企画いたしました.

東京大学地震研究所教授 石井 紘
  ボアホ−ルひずみ計の一種である石井式ひずみ計を考案し1000μの桁から
 0.001μまで6〜7桁にもわたる[超ひずみ計測]を実現しました.月刊地球の
 最新号にはM5クラスの地震に先立つ異常なひずみ変化検出を発表しています.
 さらに類似のひずみ計を利用した岩盤内の応力測定や応力変化の計測にも展
 開しはじめています.ひずみ計の直径は60〜90mm程度,長さは数10cmなので,
 通常の岩盤工学分野のボ−リング孔が使用可能です.

京都大学防災研究所教授 安藤 雅孝
  地震学の分野で多くの業績がありますが,例えば南海トラフが4つに分割
 されており,過去の巨大地震がこの一つ一つあるいは数日以内に連動する,
 あるいはすべてが同時に破壊するなどにより発生しているという論文は盛んに
 引用されています.今回お願いするのは微小地震計(岩盤のAE)やGPSによる
 測距(変位)他,総合観測により何が分ったか?あるいは何が分ると期待され
 ているか?の観点から,主として跡津川断層,野島断層ボーリング,南ア金
 鉱山の実験につ いてお話しいただきます.これらはすべて震源に近づき観
 測しようとする実験です.

東京大学地震研究所助教授 歌田 久司
  十勝沖の地震にともなう油壺の比抵抗変化に驚いたことを覚えていらっ
 しゃる方も多いと思います.この仕事は山崎氏が始めたもので,以後,吉野
 氏が計測を続行してきました.その後微小な抵抗変化が地震にともなうひず
 み変化そのものよりも,振動に依存していることがわかってきました.今回
 は比抵抗測定や地電流測定に関して講演して頂きます.

名古屋大学名誉教授 熊澤 峰夫
   今回お願いしている講演内容はアクロスとなづけられた弾性波と電磁波
 速度構造の精密測定に関するものです.弾性波の場合には基本は地盤工学で
 用いられるレナ−ズ振動試験機と類似した大きな偏心モーターを精密に制御し
 岩盤内に正弦波振動を送り込み,極めて精密に制御された記録系により岩盤
 物性の変化を検出しようとするもので,現在20km程度の距離まで計測可能に
 なっています.岩盤だけでなく大型構造物の診断にも展開可能です.内部が
 見えない構造のリアルタイムカラーホログラフィへ向けた開発研究を紹介し
 て頂きます.