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本手法によって得られた酸化グラフェンの AFM像(上図)と高さ情報(下図) |
酸化グラフェン(GO,Graphene Oxide)とは、表面に多数の酸素含有官能基を有するナノシート状の物質です。 GOは水などに分散した状態で高い比表面積を有し、更に表面官能基の修飾により表面物性を制御可能であるといった特徴を持っています。 グラフェン系炭素材料の前駆体として用いられるほか、蓄電材料や固体触媒、複合材料などへの応用も行われています。
GOは通常、酸化グラファイトを単層に剥離して得ることができます。主な剥離法は、酸化グラファイト含有溶液に超音波を印加する手法です。 この手法は比較的容易にGOを作製することが可能ですが、処理の過程でシートの破砕が起こってしまうという問題がありました。
そこで我々は、水が凍結する際の特異な現象に注目し、迅速な冷却・加熱を繰り返すことで、不可逆的な層間拡張と収縮により酸化グラファイトが剥離することを発見しました。 この手法では、超音波剥離法のようなシート破砕が起こりづらく、操作が複雑でない事から工業的なスケールアップも期待されます。
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