CVD法による炭素・無機ナノ複合材料の合成
炭素・無機ナノ複合材料

SiやTiO2といった無機物質は様々な機能を持つことが知られていますが、導電性が低いため使用用途が限られてしまいます。その改善策として、炭素材料とのナノレベルでの複合化が数多く行われています。これによって、導電性が高い炭素材料の特徴を取り入れることができ、電気化学的な応用が可能となります。 しかし、近年報告されているナノ複合材料の合成方法は、コストが高く生産性が低いものが大半を占めています。

CVD法

CVD(Chemical vapor deposition)法とは、原料成分の基板表面あるいは気相での化学反応によって薄膜を形成する手法であり、半導体膜の製造や切削工具の表面処理などに用いられています。 高温の反応器に原料ガスを流し、原料の熱分解を利用する熱CVD法はプロセスが比較的単純であるため大型化しやすく、低コストで生産性の高い手法です。

CVD法によるナノ複合材料の合成

当研究室では、比較的低コストで生産性の高いCVD法を用い、それを応用させることでナノ複合材料の合成を簡便に行うプロセスの開発を行っています。 例えば、反応器内の圧力を制御することで、多孔質な炭素にTiO2が均一に分散したナノ複合体の合成に成功しています。この複合化により、TiO2単体時と比較して電極材料としての性能向上が確認されました。




キーワード

CVD, ナノ複合材料, 無機物質