立ち上げ(通常はこの操作から始める)
(1)窒素ボンベの一次圧が10kg/cmであることを確認.
(2)部屋奥の真空ポンプが動作している(運転音が聞こえる)ことを確認.
動作していない場合は清野まで連絡して下さい.
(3)装置背面の「OPE POWER」スイッチ(白い小さなノブ)をONにする.
(4)操作装置のキースイッチをSTARTまで回しゆっくり手をはなす.自動的にフラッシングされる.このときイオンポンプのGUN室の真空度が一時的に劣化することを確認する.使用簿に真空度を記入する.
(5)READYランプの点灯を確認し,30分程度放置し装置を安定させる.
停止(通常はこの操作で停止させる)
(1)READYランプが点灯しているのを確認後,「ACCEL VOLTAGE」ボタンを押して解除する.ボタンのランプが消え加速電圧,引出電圧の電源が切れる.
(2)加速電圧を0.0 kVにする.
(3)「V7G CLOSE」ボタンを押す.明るく点灯するのを確認.
(4)装置背面の「OPE POWER」スイッチをOFFにする.(ドンと音がする)
試料の観察
試料について
!!水分,有機物などが蒸発する試料は絶対に観察しないこと.
(1)水分,有機物,その他の吸着ガスを十分に取り除いておく.
オーブン,ホットプレートで加熱,もしくは他の真空に引ける装置で真空中に放置させる.特に樹脂埋込試料では,樹脂から多量のガスが出るので前もって十分に脱ガスさせること.
(2)試料は試料台から脱落しないように固定する.逆にしても落ちないことを確認する.試料のセッティング
!!「V7G」を必ず 「CLOSE」させて試料を交換すること.
!!素手で装置の中に入る部分を触れないこと.
!!試料交換棒に汚れや傷がないか確認すること.
汚れている場合は,グリスをよくふき取りアピエゾングリスを薄く塗り直す. アクリル板の汚れもふき取る.試料交換棒のアクリル板に貫通している部分の白いプラスチックが取れることがあるので,取れそうな場合はすぐに連絡し,使用を中止する.
(1)試料台を試料ホルダに固定する.試料台が逆さにしても落ちないことを確認する.
(2)手袋を着用し,試料ホルダを試料交換棒に取り付ける.緩まないようにしっかり取り付ける.
(3)装置がX 25.0, Y 35.0, 高さ39.0, 傾斜000であることを確認する.
(4)右モニタ横の赤いボタンを押し,試料ステージの回転位置を初期値に戻す.
(5)交換棒をSEM本体の試料交換口に差し込む.
(6)交換口の右にあるボタンを押す(ボタンが赤く点灯する).交換部が真空引きされる.
(7)ボタンが消灯したら直ちにボタン右下のノブを手前90演し,右側にゆっくり引き出し仕切り板を開ける.
(8)試料交換棒を試料室内に入れ,試料ホルダをステージにセットする.つぎに交換棒を反時計回りに回して外し,棒のみ引きだす.
(9)仕切り板を閉じ,ノブを後方にカチッと音がするまで回す.
(10)ボタンを押して交換部をリークし,試料交換棒を取り外す.試料交換
(1)加速電圧を0.0 kVにし,加速電圧ボタンを押す(ランプ消灯).
(2)「V7G CLOSE」を押す(明るく点灯,V7Gが閉じる)
(3)X 25.0, Y 35.0, 高さ39.0, 傾斜000にする.
(4)右モニタ横の赤いボタンを押し,試料ステージの回転位置を初期値に戻す.
以降は試料のセッティングの(4)から行う.試料の観察準備
(1)高さ(Working Distance)を12にする.
(2)本体後方の真空計の真空度をノートに記入.
(3)モニター下のコントラストと輝度を最高にする.
(4)「MANUAL FLASH」をON.
(5)試料室の真空度(左モニタの上の真空計に表示されている)が2 *10-4以下になるまで待つ.
(6)「ACCEL VOLTAGE」ボタンを押す(ランプ点灯).EMISSION CURRENTが8μAになったときの引出電圧を使用簿に記入する.
(7)加速電圧を希望する値にする.
(8)「V7G CLOSE」ボタンを押す(ボタンは暗くなる).モニタに像が現れる.
(9)EOSボタンを押しパラメーター画面を表示させ初期設定を確認する.
EOS-1画面
ACC VOLTAGE : 0 kV
CL CORSE : 8
CL FINE :0EOS-2画面
EOS MODE : SEM
SCAN MODE : PIC
DFC : OFFEOS-3画面
DEFLECTOR : SEI(ACCV ON後に設定)EOS-4画面
COLLECTOR : ON
PMT LINK : ON
電子線の調整
調整を行わないと高倍の観察,場合によっては像を見ることさえもできません.毎回調整するようにしてください.やり方がよくわからない場合は経験者に聞いて下さい.何回も使用する人は調整ができるように慣れてください.
軸合わせ
(1)EOSボタンを押し右側のモニタにパラメータ画面を表示させる.PROBE CURRENT(CL)を6にする.
(2)〜10,000倍で目印になるものを画面中央に位置させ,ピントを合わせる.10,000倍で観察できない場合は,観察できる最大の倍率にする.
(3)「WOBBLER」ボタンを押し(左側モニタ下)を押す.左モニタの像が上下左右に動かないように鏡筒の対物絞りの位置を調整する
Xつまみ(手前側)→ X方向の揺れを最小に
Yつまみ(奥側) → Y方向の揺れを最小に
このとき間違って対物絞りの上方にあるノイズキャンセラに触れないように注意.
(4)最終的に20,000倍程度で調整する.
(5)「WOBBLER」ボタンを押し解除する.ビームアライメント調整
(1)PROBE CURRENT(CL)を6にして像を出す.
(2)10,000倍程度で目印になるものを画面中央に位置させる.
(3)「MODE」ボタン(操作卓の左の方にある)を押して画面上に十時線を表示させる.
(4)「POSITION」つまみで交点を目印に合わせる.
(5)CLを4にする.像が消えたら右モニタ下の「GUN ALIGNMENT」 つまみで像が明るくなるように調整する.
(6)画面の明るさとフォーカスを合わせる.
(7)目印がカーソルの交点からずれていれば「GUN ALIGNMENT」つまみで交点に持ってくる.ただし1μm以内の移動であればOKとする.
(8)CLを6にもどす.
(9)目印が移動しなくなるまで(5)〜(8)を繰り返す.像が暗くなるならば軸合わせまで戻って繰り返す.最後にCLを6から1まで変えても,像が見えることを確認する.
(10)もう一度「軸合わせ」からやり直すとより鮮明な画像になる.CL STIGMA調整(高倍の撮影の際は,この手順に従い調整して下さい.)
(1)CLを「6」から「1」又は「2」に変える.
(2)パラメータ画面のSTIGMAの「CL STIGMA」を選択する.
(3)10,000倍にし,ピントを合わせる.その後STIGMAつまみで非点補正をする.終わったらCLを「6」に戻す.OL STIGMAの調整
次の場合は必ず非点補正を行う
加速電圧を変えたとき.
作動距離(WD)を変えたとき.
対物レンズの絞りの切替え,交換をしたとき.
プローブ電流を大幅に変えたとき
磁性体試料を観察しているとき
(1)STIGMAを“OL”にし,観察したい倍率より少し高めに設定し,ピントを合わせる.
(2)ピントのあう前後で像が回転するように流れる場合,非点補正が必要.
STIGMAつまみで像がもっとも鮮明になるように調整する.像が鮮明になり、かつピントを前後にずらしても,像がゆがんでぼけなくなれば調整は終了.以上の操作を行っても20,000倍程度で像がシャープに見えない場合,軸合わせからやり直す.
試料の観察
(1)試料ステージのX,Yコントロールで試料の見たい場所を探す.
(2)FOCUSつまみでピントを合わせる.
(3)高倍率で観察する場合「SHIFT-IMAGE/POSITION」ボタンでIMAGEに切り替える(ランプが暗くなる)と「SHIFT」つまみで微小移動できる.
(4)「PF7」キーを押すと左側モニタに積算画面が表示される.これを利用すると高倍率でのピント合わせが容易になる.
(5)「DIPLAY-D-MAG」ボタンを押すと(明るく点灯)像が表示倍率と一致する.再び押すとこのモードが解除される.
(6)試料を大きく傾斜して比較的低倍率で観察すると像の左右の部分にボケが生じる.「FOCUS-DFC」ボタンを押し(明るく点灯)その後「FOCUS」つまみでピントを調整する.撮影(PCに取り込む)
(1)(PC)PCを起動する.
(2)(PC)SEM AFOREを立ち上げる.
(3)(SEM)取り込みたい画像を表示させる.「EMISSION CURRENT」ボタンを押しEMISSION CURRENT が8μAであることを確認.「DISPLAY-WFM」ボタンを押し波形モニタを表示する.左モニタに5本の横線が現れ,右モニタの像の輝度が波形で表示される.
(4)(SEM)「SE IMAGE-CONTRAST」,「SE IMAGE BRIGHTNESS」つまみを用いて波形が下から2本目と4本目の間に入るように調整する.
(5)(SEM)「DISPLAY-WFM」ボタンを押し波形モニタを解除する.
(6)(PC)画像のキャリブレーションを行う.
(7)(PC)「カメラのシャッターを押すアイコン」をクリックする.SEMが連動し画像が取り込まれる.
(8)(PC)画像を保存する.撮影(フィルムに撮影する)
!!フィルムがセットしてあること
!!遮光板が取り外されていることを確認
(1)「EMISSION CURRENT」ボタンを押しEMISSION CURRENT が8μAであることを確認する.「DISPLAY-WFM」ボタンを押し波形モニタを表示する.左モニタに5本の横線が現れ,右モニタの像の輝度が波形で表示される.
(2)「SE IMAGE-CONTRAST」,「SE IMAGE BRIGHTNESS」つまみを用いて波形が下から2本目と4本目の間に入るように調整する.
(3)「DISPLAY-WFM」ボタンを押し波形モニタを解除する.
(4)「LEFT」ボタンを押すと撮影が開始される.左側モニタのスキャンが終了したら撮影完了.
(5)フィルムを巻き上げる.写真に直接文字を入力させる場合,FILM TITLE位置にカーソルを持っていき6文字以内の文字を入れる.最後を数字にすると撮影ごとにカウントされ数字が増える.
停止
!!試料がとりだされていることを確認
(1)「V7G CLOSE」ボタンを押す(明るく点灯する).
(2)加速電圧を“0.0 kV”にする.
(3)「ACCEL VOLTAGE」ボタンを押し解除する(ランプが消える).
(4)ステージの位置を確認.X: 25.0, Y: 35.0, Z: 39.0, 傾斜000.
(5)「OPE POWER」スイッチをOFFにする.
(6)使用簿に必要事項を記入する.
?像が見えない
ガンアライメントおよび対物絞りの位置がずれています.対物絞りと,ガンアライメントつまみを動かし,像が出るところを見つけます.その後軸合わせ,ビームアライメント調整を繰り返し行います.
?高倍(20,000倍程度)でぼけている.
電子線の調整(非点補正)不足です.マニュアルに従い電子線の調整を行います(「STIGMA」の値がわからない場合はいったんX,Yをともに0にして調整すると最適な値が見つけやすい).一通り調整したのちもう一度初めから戻って調整するとさらに良くなります.
?細い横線が入る
以下の原因が考えられます.
(1)電子銃が汚れている.
対策:加速電圧を「0kV」,「ACCEL VOLTAGE」ボタンをOFFの後,「FLASH」ボタンを押す.再度観察し横線が入らないことを確認する.
(2)試料が帯電している.
対策:加速電圧を下げて観察する.それでも無くならない場合は試料のスパッタをやり直す.コントラストの低い試料(つるつるの表面など)を観察した場合は目立ちます.多少の横線は避けられないので妥協できるところを見つけて下さい.
?PC とSEMが連動しない
USBコネクタ部分が接触不良になっています.コネクタ部分をもう一度押さえ,確実に接続されていることを確認し,PCを再起動します.
?試料室の真空が上らない
試料からガスが出ている可能性があります.試料をいったん取り出し,ホットプレートでホルダーごと加熱,もしくはスパッタ装置で真空引きだけさせる,などの手法で乾燥させます.
?試料交換中にモニター画面に“CHECK VACUUM”が出た
試料交換中に試料室に空気が漏れてしまいました.2〜3時間は操作できません.鏡筒下の表示板にある異常を知らせるLEDがついていなければ,そのままにし,“CHECK VACUUM”が消えるまで待ちます.ここで何かLEDがついていたら,清野まで連絡してください.試料交換の際は交換棒に横向きの力がかからないように気をつけて操作してください.
?試料をSEM内に落とした
「試料のセッティング」の(7)以降の操作を行い,試料交換棒を取り外し,試料室のドアを閉め,清野まで連絡する.連絡がつかない場合は,停止操作の(3)までを行い再度連絡をとる.