研究内容
チャンネルネットワークの形成メカニズムと地形形成過程
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宗谷丘陵に見られる水路網 |
Picton (Australia) に見られる水路の分岐 |
地表面上の流れは侵食によって地表面の形状を変化させますが,同時に地表面形状は境界条件として流れを決定しています.
このような流れと地表面形状の相互作用によって,最初はなにもなかった平らな地表面上に,あるパターンを持ったガリ(初期水路)群が形成されます.
そして時間の経過とともに複雑な水路網(チャンネルネットワーク)へと発達していくのです.
一旦ガリが形成されると流れの集中によって土壌侵食は飛躍的に大きくなることから,このような水路網の形成メカニズムを知ることは土壌侵食防止の観点からも重要な課題です.
河床波の形成機構
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阿武隈川で観察されたリップル |
実験室で再現されたデューン |
河床には砂州(バー)やデューン,リップルといった様々なスケールの河床波が形成されます.
河床波は,流れと砂面の間の界面不安定によって生じるパターン形成現象の一種です.
デューンやリップルは流れにとって抵抗となることから,その発生条件や波長,波高を予測することは,
洪水時の河道抵抗を予測するためには必要不可欠です.
また砂州は河川環境に多様性をもたらす瀬と淵を形作ったり,側岸侵食の原因となるため,その挙動を知ることは河川工学上重要です.
このような河床波が流れの変化に対し,どのような応答をするのかに関する研究を行っています.
乱泥流による海底峡谷の形成機構
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紀伊水道に見られる海底峡谷 |
大陸棚から大陸斜面へ続く大陸縁辺部には,陸上に見られるものとそっくりな峡谷が存在しています.
この海底峡谷の成因として,高濃度の浮遊砂を含み海水より重い乱泥流と呼ばれる流れが近年注目を集めています.
乱泥流は,流下に伴って海底面に堆積した底泥を巻き込むことで密度を増し,さらに加速されることが知られています.
このような乱泥流によって海底峡谷がどのようにして形成されるかに関する研究を行っています.
カスプの形成機構
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仙台海岸に見られるビーチカスプ |
海岸には時折,沿岸方向に規則的に並ぶ岸沖方向の強い流れ(離岸流)が発生します.
これは,波が輸送する運動量によって発生するラジエーションストレスと呼ばれる応力が沿岸方向に不安定となるために発生すると考えられています.
また離岸流の発生に伴って沿岸方向に規則的に並んだ波状の汀線地形(ジャイアントカスプ)が観察されることがあります.
ジャイアントカスプやそれより小さい規模で形成されるビーチカスプ(上図参照)の形成メカニズムに関する研究を行っています.
2009年度 卒業論文
学年 |
氏名 |
論文タイトル |
4年生 |
青木 章宣 |
フーリエ級数展開を用いた砂州の非線形解析 |
4年生 |
辻 輝 |
塩水表面の凍結に伴う鉛直対流によって形成される氷の下面形状 |
4年生 |
中山 裕太 |
陸面過程モデルを用いた土壌水分・凍結土壌水分の融雪出水に対する影響評価 |
4年生 |
秦 佳弘 |
回転水槽流体と地球大気における温度の南北傾度と大気波数の関係 |
4年生 |
和田 卓也 |
120年分時間降雨量データを用いた東京の降水特性 |
4年生 |
和智 光貴 |
天塩川流域岩尾内ダムにおける融雪出水量と積雪水量の関係 |
2009年度 修士論文
学年 |
氏名 |
論文タイトル |
MC2 |
小越 裕史 |
砂州上に堆積する微細粒子に関する研究 |
MC2 |
中里 遥介 |
活発な浮遊砂輸送を伴う小規模河床波の発生理論 |
2008年度 卒業論文
学年 |
氏名 |
論文タイトル |
4年生 |
石原 哲志 |
河川堤防の決壊口拡大過程に関する実験的研究 |
4年生 |
高畑 知明 |
土砂供給量の違いが流路形態に及ぼす影響に関する実験的研究 |
4年生 |
竹井 義博 |
湧水浸食によるガリ形成に関する実験的研究 |
4年生 |
平塚 智史 |
管路内におけるデューンの形成 |
4年生 |
八柳 慎一 |
河川における大規模洪水後の水質変化に関する研究 |
4年生 |
山内 翔太 |
スリットつき砂防ダムに関する実験的研究 |
2008年度 修士論文
学年 |
氏名 |
論文タイトル |
MC2 |
関 陽平 |
管路内におけるデューンの線形安定解析 |
MC2 |
舘澤 清城 |
河川堤防の決壊口拡大過程に関する実験的研究 |
2007年度 卒業論文
学年 |
氏名 |
論文タイトル |
4年生 |
赤城 嘉紀 |
河川堤防の決壊口拡大過程に関する実験的研究 |
4年生 |
小越 裕史 |
丘陵地におけるガリ浸食 |
4年生 |
佐藤 希世 |
洪水時における浮遊微細粒子の輸送特性 |
4年生 |
鈴木 一世 |
浸透層上の流れの安定性に関する実験的研究 |
4年生 |
中里 遥介 |
活発な浮遊砂輸送を伴う河床波の発生メカニズム |
4年生 |
新岡 真治 |
海底乱泥流による底泥の巻き上げ特性に関する実験的研究 |
2007年度 修士論文
学年 |
氏名 |
論文タイトル |
MC2 |
小川 隆文 |
河川における流れと流砂の分岐特性に関する研究 |
MC2 |
佐藤 博重 |
デューン−平坦床遷移現象の分岐形態に関する研究 |