凍結融解作用を受ける斜面の崩壊予知・災害危険度評価システムの確立
◆長期現地調査・計測による研究成果
〜現地調査・現地計測によるフィールド情報の収集と分析〜
凍結融解作用を受ける火山灰質土で構成される実斜面において、現地調査・現地計測を長期的に実施し、斜面崩壊要因の分析と効率的な地盤調査・現地計測方法について検討した。その結果、得られた知見を以下に示す。
@温度変化・土壌水分変化と凍結融解時の実斜面の変形挙動とが密接に関係しており、凍結融解時の斜面の力学挙動の推定や凍結融解斜面の滑り崩落等の前兆捕捉をする上で、両者が重要な管理指標・評価基準となることを明確に示した(図6参照)。
A 今回設置した計測器の測定結果で凍結融解時の斜面内挙動を充分説明できることから、凍結融解斜面の挙動観測に必要な測定項目や計測手法として、層別沈下計・多段傾斜計による斜面内の移動量推定法や凍上判定法、及び地温計・土壌水分計による凍結深推定法・凍土層確認方法を具体的に提示した。
図6 地盤内変位分布の季節変化