凍結融解作用を受ける斜面の崩壊予知・災害危険度評価システムの確立
◆データベース・情報活用方法についての研究成果
〜寒冷地地盤情報データベースの開発と情報活用方法の検討〜
過去に北海道内で発生した斜面災害に関するデータ(気象条件、地盤条件と凍上現象の発生地域との関係等)を収集し、斜面災害の要因分析を実施するとともに、現行の管理体制から入手可能な各種情報の収録・体系化方法を検討した。その結果、得られた知見を以下に示す。
@自然条件、地盤条件、地盤工学的な知見、過去の災害発生事例といった異なる情報を統合し、それらの情報検索・抽出システムを具備した寒冷地用の地盤情報データベースを作製した。
A融雪期における斜面崩壊挙動を気象観測情報に基づいて合理的に推測するために、融雪量、気温および斜面内含水比変化量の関係を調べた。その結果、斜面内含水比増加量と融雪量、気温との間に一義的な関係があることが確認された(図7参照)。
図7 斜面内含水比と融雪量、気温変動との関係(2008年)