Soft Matter Group in Division of Applied Physics, Hokkaido University
ソフトマターの持つ複雑な構造,多彩な性質および機能の物理的解明とその応用を目指します。

非平衡流体のレオロジー 

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  •  アクチンや微小管などの生体物質は、重合・脱重合を繰り返す非平衡系であることが知られています。特に、微小管における重合・脱重合プロセスは、トレッドミルと呼ばれる一次元的並進運動を引き起こすだけでなく、時折カタストロフィックな重合構造の崩壊現象をともないます。したがって、そのレオロジーにも、非平衡度に応じた変化が発現すると考えられます。レオメーターを用いた巨視的なレオロジー測定と、Particle TrackingやOptical Tweezerによるマイクロレオロジーを組合せ、非平衡流体系のレオロジーを調べています。非平衡度を変えることによって、どのように微視的・巨視的レオロジー特性が変化するのか調べています。

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  •  ネマチック液晶に電場を加えると、電気対流が発生することが知られています。電場を強めると、対流はやがて乱流へと遷移します。では、乱流が発生しているところに、さらにせん断流動を加えると、何が起きるでしょうか?このとき、報告例の少ない”ある特殊な現象”が発現します[1,2]。磁性流体系、バクテリア系では、似た現象がすでに報告されていますが、ネマチック液晶の電気対流系では、その現象がより顕著に現れます。非平衡流体のレオロジーとして、これから各所で報告していきます。