研究ライフをぶっちぎれ!

「将来は研究者になりたい!」
あるいは研究者という選択肢が気になり始めているあなたへ。

下水処理におけるウイルス除去効率の向上

環境創生工学専攻 水質変換工学研究室
博士後期課程2年
アマラシリ カラヘ パンディサ コララゲ モハン
Amarasiri Kalahe Panditha Koralare Mohan

[ P R O F I L E ]

  • 出身地/スリランカ
  • 研究の要点/想像力、間違いから学ぶ、目標を達成するまで継続する
  • スローガン/人々のQuality of Lifeを向上させるために!
  • 好きな日本人作家/村上春樹
ろ過膜を使って下水から
ノロウイルスを効率よく除去

私たちは、台所やお風呂、トイレで使った水を下水として排出しています。下水に含まれている細菌・ウイルスなどの病原体は、下水処理場で全てを除去できるとは限りません。下水処理水を河川に放流したり、あるいは噴水などの修景用水などに使用する前に、下水から病原体をしっかりと除去できなければ、下水処理水を介して人々が感染症に罹る危険性があります(図1)。

下水を介して病気を起こす病原体は、ノロウイルスや大腸菌などが知られています。私の研究室では下水からの病原体除去に関する研究を進めており、私自身もウイルス除去の効率を向上させるために何ができるかを常に考え、研究しています。例えばノロウイルスの場合、ヒトの血液型を決めるオリゴ糖であるHisto-blood group antigen(HBGA)と結合することが知られており、3年前に私たちはHBGAを分泌する細菌を発見しました。現在はこの細菌の下水処理への活用を試みています。ノロウイルスがHBGA分泌細菌にしっかりと結合していれば、膜を用いることでノロウイルスの除去効率を改善することができると考えています(図2)。しかし、どのような条件(ろ過速度や細菌濃度など)であればノロウイルスの効率的な除去を実現できるのか、まだ不明なことが多く、色々な仮説を立てながら日夜研究に取り組んでいます。

図1 腸管系ウイルスの感染サイクル

図2 HBGA陽性細菌に付着したノロウイルスの膜ろ過による除去

北海道大学で
新しい人生の一章をスタート

私がスリランカの大学で学部生だったとき、環境工学は適切な衛生設備により、多くの人の命を救うことができる学問だと教わり、さらに詳しく学ぶために下水処理の研究を行っている本大学院に進学することを決意しました。2012年に札幌に来てからは、私の人生で全く新しい章が始まりました。住む場所や研究トピック、人、言語の全てが新しいチャレンジでしたが、幸い私の周囲にはとても親切な人たちがいて、徐々に環境に慣れて研究を成功させることができたのは、本当に幸運だったと思っています。今後は私が今まで学んだことを活かして、環境工学と公衆衛生に関する知識を広げ、世界の人々のQuality of Lifeを向上させたいと考えています。

人々の健康や幸せを支える
やりがいのある研究テーマです

[指導教員]環境創生工学部門 水質変換工学研究室 准教授 佐野 大輔

やる気に満ち溢れ、性格も快活なナイスガイです。
研究では度々脱線しますが、量でカバーしようとする姿勢は、程度にもよりますが、好感が持てます。