研究紹介

現象学的アプローチによる環境行動研究

空間システム講座
空間形態学研究室

建築・都市デザインのエスノメソドロジー

建築や都市のデザインに関わる人々の価値構造や評価構造、発注者や利用者・設計者・管理者等の心理・社会・行動的関係性、デザイン活動の協働性・創造性などについて、エスノメソドロジーの視点からその特性を明らかにします。エスノメソドロジーとは、「普通の人々は(ethno)、日常生活の対人関係における意志疎通行為の基盤をどのようにして組み立て意味づけ理解しているのかというそのやり方(method)、についての経験的な研究(logy)」とされ、社会構築主義の認識論に立つ研究アプローチの一つです。

生態学的妥当性からみるユニバーサルデザイン

ごく普通の日常生活において、人々はどのような場所を好んで外出するのか、あるいはどの様なところで道に迷ったり不便を感じたりするのか、そのような人々の行動と環境はどのような関係にあるのかについて、生態学的な視点から研究に取り組んでいます。例えば、高齢者や車椅子利用者の日常生活などに注目しており、身体弱者の巧みな環境活用術をより深く理解することで、健常者の視点から一方的に判断するバリアフリーデザインではない、新たなユニバーサルデザイン観の確立に向けて問題提起を試みています。

図 日常生活における移動シーン