研究紹介
金属表面テクノロジーの新しい展開
マテリアル設計講座
表界面微細構造解析研究室
表界面微細構造解析研究室
高誘電特性を有するアノード酸化皮膜作製法の開発
アルミニウム、タンタルおよびニオブなどの金属は、電解(アノード酸化)により、それらの表面上に緻密な酸化皮膜を化成することができます。これらの酸化皮膜は、電解コンデンサーの誘電体薄膜として用いられており、より誘電特性の良い酸化皮膜を形成することが求められています。 本研究室では、各種電子機器に用いられる電解コンデンサーの性能改善と、新型高性能コンデンサーの開発を目指しています。
新しいマイクロ・ナノ微細構造体作製法の開発
金属や半導体表面の微細加工は、電子デバイスやマイクロマシンなどを製造するために極めて重要です。現在の微細加工は、「フォトリソグラフィー」を用いた加工法が主流ですが、この方法は、立体的な形状を有する複雑な構造体を作製することが困難です。
本研究室では、アノード酸化皮膜を化成したアルミニウム試料を用い、レーザー照射および原子間力顕微鏡(AFM)プローブ加工による微細加工技術の開発を試みています。この方法は、従来の手法では困難な「三次元微細構造体」の作製が可能であり、この技術を微小電子機械システム(MEMS)、微小反応分析器( μ-TAS)、バイオテクノロジーなどに応用するための研究・開発を行っています。
図1 Ni製三次元微細構造体の電子顕微鏡写真
金属材料の環境安定性評価と信頼性の向上
アルミニウム合金、チタン合金およびステンレスは、航空機・車輌のボディ、家電製品の筐体、生体材料など、極めて多くの分野で利用されている金属材料です。これらの金属は、その表面に薄い酸化皮膜が存在するため、良好な化学的安定性を有しています。
本研究室では、異種金属接触によるガルバニック腐食や、レーザー照射による皮膜瞬間破壊法(フォトンラプチャー法)による金属材料の耐食性を調べ、材料の信頼性向上を目指しています。