研究紹介
生体インプラント(ステント)の最適変形機能設計
マイクロシステム講座
インテリジェントデザイン研究室
インテリジェントデザイン研究室
人口構成の高年齢化により、高脂血症などによる血管狭窄,癌などによる気管や尿道の狭窄が増えています。これらの治療には生体内ストレッチャの一つであるステントが用いられます。ステントは主に図1に示すように金属を構成材料とし網目構造を持ち、狭窄部に挿入された後に拡張し狭窄部を取り除きます。
図1 バルーン拡張型ステント
ステントを拡張する方法は主に2種類あり、ステント内にあらかじめ組み込まれているバルーンにより拡張するバルーン拡張型ステントと、バルーンの助けなしに拡張する自己拡張型ステントがあります。従来のステントは規格化されているため、個人差や狭窄部位,狭窄状態を考慮することができませんでした。しかしながら、より複雑で微小な部位へステントを応用するためには、図2に示す設計支援システムにより、ステントをその部位形状や個人差を考慮したテーラーメイド設計する手法が必要です。
図2 インプラント設計支援システム
このためには、ステントの構造と変形との関係を明確にし、ステントの変形をその構造から制御する手法が必要となります。そこで、本研究室では、バルーン拡張型ステントを任意に変形させるための手法を開発するために、有限要素解析によりステントの変形と構造の関連性を明らかにし、インプラント設計支援システムに応用する手法を検討しています。
図3 ステントの変形解析