研究紹介
ふく射伝熱の数値解析手法の開発と応用
マイクロシステム講座
マイクロエネルギーシステム研究室
マイクロエネルギーシステム研究室
燃焼加熱炉、ガスタービン、ジェットエンジンなど、各種燃焼器や火炉の開発期間の短縮と開発コスト削減のために近年数値解析の利用が本格的に考えられるようになってきた。これらの高温機器の解析においては特にふく射伝熱の正確な取り扱いが重要である。
本研究室では、解析系の幾何学形状や熱物性の変化に対して柔軟な対応ができるモンテカルロ法を用いたふく射伝熱解析を中心として、ふく射伝熱の数値計算の経験を長年にわたり蓄積してきた。その過程で、燃焼ガスの非灰色性を考慮した高精度解析手法の確立、モンテカルロ法によるふく射伝熱解析計算の高速化、ふく射伝熱問題における逆問題などに取り組んできた。
近年では、灰色計算で非灰色計算の精度を保つための等価吸収係数の提案や、任意形状系における3次元非灰色ふく射・対流共存伝熱解析コードの開発などを行っている。
これらの解析手法を用いた応用研究としては、ボイラなどの火炉内伝熱はもちろんのこと、一方向凝固ガスタービン翼の連続鋳造過程における高速ふく射伝熱解析、シリコンウエハ熱処理用バッチ炉内の伝熱解析、半導体処理用純水加熱用ふく射式高温サーキュレータの伝熱解析、室内温熱環境に及ぼすふく射伝熱効果の評価、高速増殖炉におけるNa火災時のエアロゾル雰囲気中のふく射伝熱解析、赤外線計測から火炎構造(温度、すす濃度、CO2分圧分布)を求めるふく射物性値逆問題解析等を行っている。