研究紹介
慣性力を応用した推進機構の開発
バイオ・ロボティクス講座
スマートメカニズム研究室
スマートメカニズム研究室
多くの陸上移動ロボットの推進機構は車輪か歩行に依っている.これらはともに車輪や足の接地面により摩擦を介して地面を後ろに押しやることで行われている.この摩擦力は,車輪の周方向または足の歩み方向における接地面と地面の間の摩擦係数に依っており,この摩擦係数が移動方向の抵抗にうち勝つだけの大きさをもつことが不可欠である.本研究では慣性力に依る新しい推進機構を開発している.この推進機構は摩擦を介して地面を後ろに押しやることには依らず,揺動させる質量により発生する横方向の脈動慣性力とそれに同期した接地要素の傾きに依っている.接地面における摩擦係数の方向による違いを利用するものであり(図),接地要素としては空転車輪,スケート,スキーその他である.試作ロボット(空転車輪タイプ)により,動作確認がされている.
推進の原理
試作機の構造
走行実験の様子
(出典:Proceedings of the IASTED International Conference ROBOTICS AND APPLICATIONS June 25-23, 2003, Salzburg, Austria, 148-153)