研究紹介

骨組織応力のX線解析

バイオ・ロボティクス講座
バイオメカニカルデザイン研究室

体内の骨組織が,日常の力学的環境に適応して,それ自身の形態や構造を変える性質を持つことはよく知られており,「リモデリング」と呼びます.生体骨のリモデリングを誘引する力学的刺激には「応力」があります.リモデリング応力は,瞬時ではなく比較的長期にわたって骨組織内に留まり,骨組織を刺激し続ける必要があります.この場合,リモデリング応力は残留応力となります.この応力を非侵襲に測定する手法を開発しています.

骨組織は微視的には無機質のハイドロキシアパタイトと有機質のコラーゲンからなる複合構造をとっています.ハイドロキシアパタイトは結晶化しているので,X線回折によりひずみを測定することが可能です.そこでX線回折を用いた骨組織応力測定の基礎研究を行い,非侵襲骨組織応力検出装置の開発を目指しています.

図1非侵襲生体内応力測定原理
図1非侵襲生体内応力測定原理