環境フィールド工学専攻

環境フィールド工学専攻の紹介

フィールドで環境を工学する

人工技術が全地球規模で影響をおよぼし,手つかずの自然の存在し得ない状況が生じています. この結果,人間生活の背景環境(気圏,水圏,地圏フィールド)が大きく変化し,温暖化,洪水・渇水の頻発,土砂流亡,大気・沿岸海洋・陸水・土壌・地下水の汚染,生態系の貧困化など,少なくない負の影響が顕在化しています.

これらの問題に対処し安全快適で持続可能な社会を実現するためには,方向の異なる二つ方策が考えられます. その一つは,発生源の抑制と人間影響の減少を内容とする新しい生産技術の創生であり,脱硫技術などにその典型が見られます. 他の一つは,湿原再生や蛇行復元など,人工化影響の排除や対象環境の制御保全・修復再生を内容とする技術の展開です. これは,環境の成り立ちや相互関連,変化要因・機構の解明に意をはらい,その成果を適用することによって環境そのものの保全・再生をはかろうとする方策です.

本専攻は後者の立場を目指すものであり,国内のみならずアジア域の環境汚染・自然衰退を視野に入れ,リモートセンシングから現地計測までの手法を積極的に駆使したフィールド調査を重視し,気圏,水圏,地圏に関する環境の工学的制御・管理・再生技術の開発をおこないます. あわせて,これらの技術を担いうる技術者の養成を果たします.

図1 北緯78°のスバールバル島(ノルウェー)付近の海