酸性汚染環境におけるヒ素の溶出挙動の解明と発生抑制方法の開発

 研究詳細(PDF:536KB)
博士:
  • 富岡 祐一 
 
元COE研究員
(資源再生工学研究室)


研究テーマ

建設残土、鉱さい、自然地質などに存在するヒ素を含む硫化鉱物が溶解することにより周辺環境にヒ素汚染をもたらす。本研究の目的はヒ素汚染の元になる環境において、ヒ素の溶出を抑制することにある。研究は以下の2つの方向から進めている。
  1. ヒ素を含む硫化鉱物として代表的な硫ヒ鉄鉱(FeAsS)の溶解メカニズムを明らかにすることで、硫ヒ鉄鉱の溶解を抑制する効果的な方法を開発する。
  2. ヒ素汚染環境にある鉱物などによりヒ素を固定することで、汚染の拡大を防止する。
溶解抑制法やヒ素固定法としては、低コストで且つ環境負荷の少ないものが望ましいことから、その場にいるバクテリアの利用(Bio-stimulation)や腐食物質等の天然有機酸を用いた溶解抑制方法やその場で生成する鉱物の利用を検討している。


【研究手法】

1.フラスコ振盪法により、硫ヒ鉄鉱からのヒ素溶出挙動を調べる。
本研究では、
  • 鉄酸化バクテリアの影響
  • 硫黄酸化バクテリアの影響
  • 共存金属イオンの影響


2.硫ヒ鉄鉱溶解抑制および、溶存ヒ素の固定
  • リン酸による鉱物表面への皮膜生成
  • 天然有機酸の還元作用を利用した溶解抑制
  • 溶存ヒ素のジャロサイト鉱物による除去
  • 硫化鉱物によるヒ素イオンの固定