工学部長あいさつ Greeting from the Dean

工学部長からのメッセージ

工学部長 増田 隆夫

工学部長 増田 隆夫

北海道大学は,その起源を1876年に設立された札幌農学校に遡ります。初代教頭のクラーク博士は日本を去る際に学生へ,「青年よ大志をもて。それは金銭や我欲のためにではなく,また人呼んで名声という空しいもののためであってはならない。人間として当然そなえていなければならぬあらゆることを成しとげるために大志をもて。」(稲富栄次郎「明治初期教育思想の研究」(1944年))と言われてアメリカに帰国されました。北海道大学はその精神に則って,「フロンティア精神」,「国際性の涵養」,「全人教育」,「実学の重視」という教育研究に関わる基本理念を掲げ,培ってきています。工学部においても,本学の基本理念に基づいて,学生を将来の社会有為な研究者・技術者へ育成するための教育を行っています。

我が国は科学技術創造立国を国是としており,そのためにも工学を修める人材の育成は必須となっております。工学の進展は,日本国民のみならず人類の幸福な生活のために役立ちます。ここで従来にも増して大切なことは,大局的な観点から工学の進展を考えなくてはいけないことです。社会の最小単位である各家庭と,その地域の自治体,更には日本および世界それぞれの最適な状態は相互に異なってきます。まず,世界のバランスが取れるためには日本がどうあるべきかを考え,次に日本がその状態になるには自治体や身の回りの社会環境がどうあるべきかを考える必要があります。この様に,思考を開始する際に対象とする社会システムの領域を可能な限り広くした上で,目の前の個別の課題を解決する工学を究めていかなければなりません。

また,工学が対象とする分野は多様性を有しているため,工学部には,応用理工系学科,情報エレクトロニクス学科,機械知能工学科,環境社会工学科の4学科のもとに合わせて15のコースがあり,工学の多様な分野について修学できるようになっています。工学部においては,各専門分野の基礎に重きを置いた教育と,広い分野から考えることのできる高い倫理性を持った人材の育成に努めています。

本学の2016年度から6年間に渡る第3期中期目標の一つには,「専門的知識に裏づけられた総合的判断力と高い識見並びに異文化理解力と国際的コミュニケーション能力を有し,国際社会の発展に寄与する指導的・中核的な人材を育成する。」が掲げられています。この目標達成のために,グローバルに活躍する力を養うため,全学横断的な教育プログラムである「新渡戸カレッジ(学士課程)」及び「新渡戸スクール(大学院課程)」をさらに充実させます。併せて,海外インターンシップへの派遣を推進するとともに,国際性を高めるための手段としての英語教育として,英語による学部専門科目の拡充を進めています。そして,一年をこれまでの2学期制から春・夏・秋・冬の4期に分けたクォーター制度を導入することで,自由度の高いカリキュラムの再編を行っています。 さらには,各科目に番号を付したナンバリング制度や,国際通用性のあるきめ細かなGPA制度等を導入して運用しています。これらにより,学生が履修科目を体系的に選定しやすくなるとともに,世界基準で学修成果を評価できるようになっています。

大学の使命は社会に保証された「社会有為な研究者・技術者」を育成することです。工学部は,学問の継承と創造により,質の高い教育と研究をもって,社会のニーズ,さらには多様な業界のニーズに応えられる人材を世に送り出し,これまで以上に国際競争力のある卓越した教育研究拠点となることを目指します。

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