学生・卒業生コラム

多彩な面々による、
工学研究的フリートーク。

卒業生コラム

世界のエネルギーを担う海洋資源開発

三井海洋開発株式会社
技術部
小柳津 遥陽

[PROFILE]

2014年3月
北海道大学工学部 環境社会工学科 卒業
2014年4月
北海道大学大学院工学院 環境フィールド工学専攻 入学 (沿岸海洋工学研究室所属)
2016年3月
北海道大学大学院工学院 環境フィールド工学専攻 修了
2016年4月
三井海洋開発株式会社 入社 技術部 配属

海洋に浮かぶ巨大石油生産設備

みなさんは、世界の石油・天然ガスの約3割が海洋から生産されているのをご存知でしょうか?石油・ガス開発の舞台は陸上から海洋へと移行しつつあり、近年では水深2,000mを超える深海油田の開発も進んでいます。私が入社した三井海洋開発株式会社(MODEC)は、海洋油田からの石油・ガスの生産を、油田のある洋上で行うための「FPSO(Floating Production, Storage and Offloading system):浮体式海洋石油・ガス生産設備」の設計、建造、リース、操業及び保守点検の提供をコアビジネスとしている、日本で唯一の企業です。学生時代の海外インターンシップの経験等から、「世界を舞台に、今後さらなる成長が見込まれる海洋資源開発を担う唯一の日本企業」に憧れて入社を決意しました。

入社後は、FPSOの係留システムに携わるエンジニアとして、新規プロジェクト受注に向けた入札業務や、現役のFPSOの保守点検に関わるエンジニアリング業務に携わっています。FPSOは、10年から20年以上に及ぶ操業期間中は造船所に戻ることなく洋上の一ケ所に係留され、海底から石油・ガスの生産を続けなければなりません。時には水深2,000mなど、油田のある海域の環境条件に合わせたオーダーメイドの係留設計が必要となるため、そのフィールドにあった最適解を見つけ出すというのが係留エンジニアとして一番の腕の見せどころです。

プロジェクトチームの窓口として

現在、私はアジアで操業中のFSO(Floating, Storage and Offloading system)の係留システムを交換するプロジェクトに携わっています。このプロジェクトは、操業契約期間の延長に伴い、当初の設計寿命を超える係留索(アンカーチェーン等)の交換を、FSOの操業を止めることなく洋上で行うという難工事で、密に計画を立てながら予定期間内での完工を目指しています。係留システムの世界的企業であり、MODECの子会社でもあるSOFEC社とプロジェクトチームとの窓口として、エンジニアリング業務の調整や、係留索の構成品調達業務の管理などを行うことが私の主な仕事です。SOFEC社の本拠地である米国ヒューストンに滞在し、現地のエンジニアや調達の担当者と議論を交わす日々の中で、時には意見の衝突やスケジュールの遅延が発生することもありますが、この場では自分がプロジェクトチーム側の代表であるという責任感を持って、ひとつひとつ問題を解決しながらプロジェクトを進めていく過程に強いやりがいを感じます。

生産設備を持たない浮体式海洋石油・ガス貯蔵設備

挑戦の機会にあふれる大学生活

大学生活には、学業に限らず様々な挑戦の機会があふれていると思います。学生時代の海外インターンシップへの挑戦を通して得た経験や人とのつながりは、私にとってかけがえのない財産となりました。学生生活という限りある貴重な時間の中で、どんなことでもいいので全力で挑戦できる何かを探してもらいたいと思います。

ヒューストンのあるテキサス州はステーキが名物です!
会社の先輩たちと巨大なステーキを楽しみました。筆者(左)
FPSOの概念図
提供:三井海洋開発株式会社(MODEC)